エコシステムを介してクラウドの力を解き放つ5つの簡単なステップ

政府によるクラウド導入が加速する中で、成功の鍵となるのは業界パートナー

Brian Bonacci

米国連邦政府の機関にとってクラウドへの移行が最優先事項であることは間違いありませんが、それは現行のCloud Smart 政策のみがその理由ではありません。その他のクラウド導入の主な推進要因としては、コストの削減、サイバーセキュリティの向上、サービスの効率的な提供なども含まれます。政府機関のIT主導者は、人工知能 (AI)、機械学習(ML)、モノのインターネット(IoT)などの新技術に関する戦略を加速させるクラウドプラットフォームにも目を向けています。現在までセキュリティや移行の複雑さに対する懸念により、政府のクラウドへの移行が停滞していましたが、急速に進み始めています。Gartnerによると、政府機関のほぼ半数が現在クラウドサービスを積極的に利用し、パブリッククラウドへの政府の支出も2021年まで年平均17.1%増加することが予測されます[i]。さらにDeltekも、連邦政府のクラウド支出が2024年までに91億ドルまで成長し、2016年の5倍になると予想しています(18億ドル )[ii]。

91億ドル

連邦政府のクラウドへの支出は2024年までに91億ドルにまでに成長し、2016年の5倍になると予想

連邦政府の「クラウドジャーニー(クラウド移行への過程)」の洞察:IaaS、PaaS、 SaaS

民間部門と同様に、政府機関もそれぞれのニーズに対し様々なクラウドモデルを追求していますが、米国一般調達局(GSA)は、「クラウドジャーニー(クラウド移行への過程)」にあるこれらの政府機関の主導者を支援するために、3つの基本的なクラウドサービスモデルを定義しています。[iii]

  • Software as a Service (SaaS): アプリケーションコードを含むすべてをアウトソーシング – ベンダーは、サービスとして利用するアプリケーションをオンデマンドでライセンス供与します。このアプローチでは、コントロールや保守の責任が最小限です。
  • Platform as a Service (PaaS):インフラの運用をアウトソーシング – ベンダーは、事前に設定済みのコンピューティングプラットフォームとソリューションスタックをサービスとして提供します。プロバイダはシステムの管理、パッチの適用、ネットワークの構築を担当します。一方、ユーザーはアプリケーションの保守を担当します。このアプローチには、中程度のコントロールと保守の責任となります。
  • Infrastructure as a Service (IaaS)インフラをアウトソーシング – 物理的または仮想コンピューティングインフラをサービスとして提供します。プロバイダはインフラの物理的な部分(電源、冷却装置、ラックなど。)の保守を担当します。一方、ユーザーはシステム管理、パッチ適用、ネットワーク構築やアプリケーションを担当します。このアプローチには、コントロールと保守に関して最も重い責任を担っています。

その他の多くの組織と同様に、政府機関は通常「クラウドジャーニー」を、オンプレミスのワークロードをクラウドに移行することからスタートします。同時に、かなりのコントロールをまだ維持したままであるため、このアプローチはIaaSとPaaSが適していると言えます。一方で、政府機関がクラウドに馴染むにつれて、SaaSへの支出が増えています。Ponemon Instituteが連邦政府のIT担当者618人を対象に行った最近の調査では、回答者の76%が今後2年間でSaaSが不可欠または重要になると予想しているのに対し、PaaSが重要になるだろうと回答しているのはわずか30%の回答者に過ぎません。[iv]。

76%

今後2年間でSaaSが不可欠または重要と回答した連邦政府のIT担当者の割合

追求するモデルに関係なく、多くの政府機関がクラウドに移行できないアプリケーションがあることに気付いています。この状況に対しては、cloud adjacent strategy(クラウド隣接戦略)が、レガシーシステムと新たに採用したクラウドサービスの間の緊密な統合を確実にするために役立ちます。レガシーアプリケーションとインフラを1つ以上のクラウドサービスに近接して展開することで、政府機関は費用と複雑さを軽減し、パフォーマンス、信頼性、セキュリティを向上させることができます。

クラウドの複雑性に関しては、業界のパートナーが政府に対して重要なサポートを提供。政府機関のクラウドエンジニアリングサービスへの投資は、2018年に13億ドル、2016年の支出額の3.7倍にまで増加。

業界パートナーのエコシステムが成功の鍵

政府機関によるクラウドの導入が加速するにつれ、その煩雑性による負担も増大しますが、それに対応する体制を持たない機関も多く存在します。業界のパートナーは、このギャップを埋めるための移行および管理サービスにおいて重要な支援を提供します。ソフトウェア開発、技術サポート、マルチクラウド統合などのクラウドエンジニアリングサービスに対する政府機関の投資は、2018年には13億ドルにまで増加しました。これは、2016年の支出(3億3700万ドル)の3.7倍の増加となります。ii

連邦政府機関のクラウドへの迅速な移行をサポートするKnight Point、Dell、IBMなど多くの業界パートナーは、エクイニクスで 相互接続を展開する政府のエコシステムの構成要素でもあります。あらゆる業界の組織で構成される世界最大の相互接続エコシステムとして、Platform Equinixには、世界全体で9,800の企業、2,900社のクラウドとITプロバイダ、そして1,800社のネットワークプロバイダを超える多くの組織が含まれています。また、GSA、EIS、Networx、WITSなどの政府の調達システムを提供する政府のネットワークプロバイダもエクイニクスのエコシステムの一部です。

 

最も重要なエコシステムへ接続するための5つのステップ

では、連邦政府機関がクラウドの施策を推進するために必要なパートナーのエコシステムに接続する最善の方法は何でしょうか?インターコネクション(相互接続)指向のアーキテクチャ(IOA™)のアプローチによって、パートナーとの従来の「1対1」の接続における問題を乗り越えられます。The IOA Ecosystems Blueprint(エコシステムブループリント)  では、世界中の地域に分布する様々な潜在的パートナーへの「1対多」のインターコネクション(相互接続)を可能にする安全に相互接続されたノードの分散ネットワークを構築するために、政府機関が取るべき5つのステップについて説明します。

1.パートナーおよびユーザーの拠点までの距離を短縮することで、パブリックデジタルサービスをローカライズし、ユーザーエクスペリエンスを向上できます。ローカルトランザクションをエッジノードを経由し、安全にルーティングすることで、応答時間を最小限に抑えます。

2.エッジノードでエコシステムのインターコネクション(相互接続)を活用することでマルチクラウドワークロードの統合の最適化するとともに、アプリケーションをパートナーやユーザーの近くにプッシュし、レイテンシの抑制を行うことで、マルチクラウドエージェンシーのサービスフローを統合します。
3. パートナーやユーザーに近い地理的に分散し相互接続されたエッジノード間にワークロードを分散させることで、エージェンシーにおけるデジタル対応のボリュームを拡張し、需要急増の調整のための安全でダイナミックなルーティングの柔軟で信頼性の高い通信経路と容量を提供します。各ノードをその場所のローカルサービスに合わせて調整し、需要に応じてパフォーマンスを拡張できるようになります。
4. エッジベースのサービスチェイニングを介してローカル地域へポリシーの執行を促し、グローバルなトランザクションのコンプライアンスを適用します。エッジでエコシステムを活用し、現地のコンプライアンスポリシーを遵守する監査ログサービスやデータリポジトリを取り入れます。エッジノードでポリシー主導のセグメンテーションを呼び出し、適切なセグメンテーションを使ってクラウド間の相互の通信にローカライズされた規制が適用されるようにします。

  1. トラフィックをダイナミックに再ルーティングし、新サービス(エージェンシーのサービスチェーン)を追加することで、不測の事態/新しい規制/パートナー/テクノロジーに関するエージェンシーのニーズの変化に対応できるようにデジタルパートナーバリューチェーンを構築します。

Equinix Cloud Exchange Fabric™(ECX Fabric™)などのグローバルのインターコネクション(相互接続)のソリューションは、各機関がこれらのステップを容易に実施し、各地域のパートナーの充実したエコシステムを通じてオンデマンドでサービスを拡大できるようにします。

相互接続された政府の実現 についてはこちらをご覧ください。

 

以下の記事もご覧ください。

Why Proximity at the Edge Is Essential for Effective Hybrid Multicloud(「エッジの近接性」が効率的なハイブリッドのマルチクラウドに必要な理由)

[i] “Gartner, Understanding Cloud Adoption in Government(ガートナー、政府のクラウド適用を理解する)2018年4月.

[ii] Deltek,  Federal Cloud Computing Spending To Reach $9.1 Billion By 2024, According To Deltek, (Deltekの見解:連邦政府のクラウドコンピューティングの支出が2024年度までに91億ドルに到達) 2019年9 およびFederal Cloud Computing Market, 2019-2024(連邦政府のクラウドコンピューティングマーケット)

[iii] U.S. General Services Administration (GSA) Cloud Information Center, Why Cloud?: Basics – Cloud Service Models and Cloud Planning Technical Implementation – Maintenance (as adopted from the National Institute of Technology and Standards (NIST) Definition of Cloud Computing).

[iii] 米国一般調達局( (GSA) クラウド情報センター, クラウドである理由は?: Basics – Cloud Service Models(基本 – クラウドサービスモデル) 及び Cloud Planning Technical Implementation – Maintenance(クラウドプランニング技術導入 – 保守) National Institute of Technology and Standards (NIST) Definition of Cloud Computing(アメリカ国立標準技術研究所(NIST)のクラウドコンピューティングの定義を採用)

[ⅳ]“Ponemon Institute, Cloud Adoption in the U.S. Federal Government, June 2019(Ponemon Institute、米国連邦政府でのクラウド導入、2019年6月)