技術の領域に限られていたアプリケーションプログラミングインターフェイス(API)は、今や全ての業種にとって重要な成長エンジンです。APIのおかげで、企業、パートナー企業、顧客は、世界規模で信頼できる方法による交換情報を拡大し、イノベーションおよび成長の新たな道筋を開くことが可能になりました。
過去数年間にわたり、技術的プログラムが可能なインターフェイス(API)は、企業の個別利用のためだけのツールではないことが証明されています。APIは、今や企業の重要なビジネスになっています。あらゆる業種の企業(例、eBay, Expedia, Facebook, Google, Salesforce, Twitter, WhatsAppなど)が、APIを活用して他のビジネスにもプラットフォームが利用できるように顧客向けの新しいソリューションを開発しています。
エクイニクスAPIエコシステム
エクイニクスのフォーラムでは、オンラインディスカッションを提供しており、新しいアプリケーションの開発または既存のアプリケーションを拡張する際のAPIの利用方法を学ぶことができます。開発者が参加し、情報を共有し、質問に対してコメントを行うインタラクティブにサポートする場となっています。
詳細はこちら例外なく、すべてのサービスインタフェースは、外部から接続できるようにゼロから設計しなければなりません。Jeff Bezos, Amazon
新たなAPIムーブメントの台頭
Salesforceは2000年に最初のWeb APIが一般的に利用可能になりましたが、「拡張可能」なデジタルプラットフォーム対応に向けた新しいムーブメントのきっかけとなったJeff Bezos氏(Amazon社のCEO)より送信された2002年の「API Mandate(勅令)」メールが有名ですので紹介します。Bezos氏が従業員に対して次のようにメールしています。「例外なく、すべてのサービスインターフェースは、外部に接続できるようにゼロから設計しなければなりません。つまり、各チームはインターフェースを外部の開発者に公開できるように計画/設計しなければなりません。これについては、一切の例外は認めません。」[i]
その後に起きたのが、デジタルの歴史です。その一つがUberです。Uberは自社の車両を所有せずに、APIを利用した効率的なライドシェア管理技術をマスターしたことで、個人の交通産業に革命を起こしました。APIの力はUberの競争力において重要な役割を果たし続けています。例えば、Uberのドライバーを乗車位置まで簡単にナビゲートでき、Uberアプリに統合されたGoogle Maps APIサービスを通して乗客がドライバーのルートを素早く視覚化できるようになりました。[ii]
APIとは? 導入を推進する要因は?
端的に言うと、APIとはコンピュータにとって、人間の意味でのユーザーインターフェースです。APIは、システム、アプリケーション、ネットワーク間のより深い交流を可能にする道筋を開いてくれます。そして、私たちは「サービスの経済」に生きていることからも、APIを通じて表現されたより多くの製品やサービスをこれからも目の当たりにするでしょう。つまり、デジタルの世界において、真のビジネス価値を生み出す原動力が、物理的な製品そのものから、製品が生み出す情報やインサイトへとシフトしているのです。
今日、APIの導入が加速している要因は次の通りです。
- 開発の迅速化と納品までの時間に対する要求:企業が成功するためには、アプリケーションの開発サイクルを短縮し、ソリューションやサービスの市場投入までの時間を短縮する必要があります。API は、アプリケーション開発とデプロイメントの俊敏性と自動化を可能にし、アプリケーションの拡張性、機能性、使いやすさを向上させます。また、APIはビジネスパートナーと再販業者間の情報交換を豊かにし、エンゲージメントと洞察力を深めることで顧客のロイヤルティを向上させます。これらすべてが、新しい市場と収益チャネルの開拓に貢献します。
- ハイブリッドマルチクラウドとエッジインフラストラクチャの成長:企業は、異なるクラウドには異なる強み、機能、コスト面での考慮点があることを認識しており、異なるアプリケーション間、あるいは単一のアプリケーション間でも複数のクラウドを使用したいという欲求が高まっています。オンプレミスとクラウドを問わず、複数のインフラストラクチャにまたがるシステムを展開、管理、統合する必要性は、現代のビジネスの絶対的な要件です。APIを使用することで、消費するアプリケーションに影響を与えることなく、インフラストラクチャリソースを「最適な」場所に移動させる柔軟性が可能になり、呼び出し側のアプリケーションをインフラストラクチャの複雑さから抽象化することができます。
- 業界標準や法規制要件の台頭:多くの業界団体または政府組織は、一番の選択肢としてAPIへのアクセスを強く進めています。この中には、欧州の決済サービス指令(PSD2)や、北米やアジア太平洋地区のオープンバンキングも含まれています。米国においては、ヘルスケア関連施策(Fast Healthcare Interoperability Resources/FHIR)でAPIが必要とされています。そして様々な地域においても政府によるオープンデータの施策でAPIの利用が進んでいます。
エクイニクスのAPI戦略によりデジタルトランスフォーメーションを加速させる方法
多くの企業が、自社の事業の成功に必要となる、「あらゆる場所へアクセス、あらゆる人々とのつながり、あらゆるデジタル環境の統合」を行う場として、Platform Equinix® 上で自社のデジタルインフラを構築/管理しています。APIへのアクセスを可能にすることで、エクイニクスは、アプリケーション開発や管理の自動化を簡略化し、グローバル企業が迅速にスケーリングすることを実現するパワフルな開発者用プラットフォームを提供しています。
デジタルトランスフォーメーションを簡素化および加速するために、どのようにエクイニクスのAPIアクセスを利用しているかを一部紹介します。
- ハイブリッド/マルチクラウドおよびエッジサービスの展開
- インターコネクション(相互接続)サービスのプロビジョニング(Equinix Cloud Exchange Fabric™およびNetwork Edge)
- Equinix SmartKey™ 暗号化と鍵管理サービス運用のプロビジョニング
- 業務プロセスの自動化:
- Cross Connect、Smart Hands® といった製品/サービスの注文、および出荷、トラブルチケットなど
- 安全なインターコネクション(相互接続)のプロビジョニング、およびユーザーと権限の管理
- リアルタイムでの通知の受信やインシデント管理
- 内部構成管理データベースのユースケースにおけるインベントリ情報の集約
- データの監視、分析、レポート
- データセンターインフラ管理(DCIM)の監視、分析、レポート(IBX SmartView™)。IBX SmartView APIウエビナーをダウンロードするか、SmartViewフリートライアルに申し込むことができます。
- コネクテッドデータセットを構築するための人工知能/機械学習/ビックデータ分析
- インシデント発生時の応答時間全般を改善/予測のためのインフラの監視および消費電力データの取得
エクイニクスのAPIのエコシステム
現在、エクイニクスは顧客やパートナー企業のデジタルトランスフォーメーションの加速を可能にする70以上のAPIを取り扱っています。例えばTelstra社は、複数のクラウドにダイレクトかつ安全にワークロードを接続するために自社のTelstra Programmable NetworkにECX Fabricを活用しています。Telstra社とエクイニクスは協働して、API統合によってエクスペリエンスを完全に自動化し、オンデマンドで安全なプライベート接続をわずか数分で確立し、時間短縮を行うことで世界中の顧客がクラウド接続を簡素化できるように支援しています。
また、エクイニクスとVerizon 社は、APIを活用して迅速でシームレスなインターコネクション(相互接続)のプロビジョニングを提供することで、企業のオンプレミスのインフラとEquinix International Business Exchange™(IBX®)データセンター間の高速かつ信頼性の高い接続を企業に提供しています。Verizon Software Defined Interconnect(SDI)は、VerizonのネットワークとECX Fabric間のAPIを活用して、プライベートIPネットワークをわずか数分で世界中のIBXデータセンターにダイレクトに接続し、専用の物理的接続を不要にします。
エクイニクスAPIについて更に学ぶ方法
エクイニクスは、Open API Specificationに従って、Equinix Developer Platformを介してアクセス可能なRestfulおよびStreaming APIを提供しています。API Knowledge CenterのGetting Started(入門)セクションでは、疑似APIを使用してエクイニクスのAPI Playgroundをテストする方法について段階的なガイダンスを提供しています。
顧客やパートナーの声に耳を傾けることで、エクイニクスは自社の開発者エコシステムにもたらす価値を継続的に高めていくことができます。開発者用プラットフォーム上のフィードバックウィジェットを使って、あなたのご意見を是非お聞かせください!
[i] Jeff Bezos, Amazon’s CEO, Mandate.
[ii] Android Authority, “Here’s how much Uber pays to use Google Maps,” April 2019.