自動運転の未来はデータ管理が鍵

自動運転車が生成する膨大なデータの管理方法について

Petrina Steele

私たちは、自動運転車にかなり前から想像力を掻き立てられてきました。例えば、「バットモバイル(バットマンの自動運転車)」や象徴的なフォルクスワーゲンビートル車である「ハービー(映画に出てくる自動運転車)」を思い浮かべて下さい。車体の色を選ぶように車の個性を選べるようになるのはまだ先の話かもしれませんが、自動運転車は現実に近づきつつあります。フォルクスワーゲン、ホンダ、フォード、マツダ、現代などの自動車会社が、CES 2020で自動運転車やコネクテッドサービスのイノベーションを披露しました。これら多くの企業ならびにGM、トヨタ、ダイムラーなどの主要メーカーが、今年末から2030年のいずれかの時点で、真の自動運転車を公道に投入すると主張しています。[i]

人工知能(AI)、5G、モノのインターネット(IoT)などの輝かしい技術の進歩によって、コネクテッドカー投入への競争が本格化する一方で、データ管理の話題はしばしば抜け落ちているように感じます。また、もしインテルの予測が正しいなら、自動運転車は1時間半の運転で約4テラバイトのデータを生成することになります[i]。そして、そのデータすべてを管理する方法の実用性は、遅かれ早かれ取り組む必要があります。

これからのチャンスと課題

このInfoBiteでは、主要ユースケースやその他の例を使い、自動運転車の業界が近い将来直面する好機や課題について説明しています。

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IDC Connected vehicle
人工知能(AI)や5G、モノのインターネット(IoT)などの輝かしい技術の進歩によって、コネクテッドカーへの競争が本格化する一方で、データ管理の話題はしばしば抜け落ちているように感じます。

先進運転支援システムは膨大なデータの塊

先進運転支援システム(ADAS)は自動運転車の開発で不可欠な部分です。ADASは、センサーカメラコンピュータビジョンなどを含む複数のデータソースからのデータに依存していますが、受動的(例:車線逸脱警報)、もしくは能動的(例えば、運転者の介入なしの自動緊急ブレーキ)のどちらかになります。ADASの詳細情報の入手は、ScaleUp 360° Advanced Driver Assistance Systems Europe(ヨーロッパにおける360度先進運転支援システム増強)に登録して下さい。

企業によるADASの研究開発レベルにかかわらず、データの扱いは今日重視すべき課題です。現在のテストドライブでは、1日に最大20TBのデータが生成されており、より高度なセンサー一式を使用すると最大100 TB/日を生成する可能性があります。従来のツールを使ってこの量のデータをアップロードするには、1台の車で1週間から数ヵ月に及ぶ期間がかかってしまいます。さらに、これらの全データを分析するために必要なコアAIモデルを構築および改善するには、希望のクラウドプロバイダー、プライベートデータセンター、データソース、データブローカーへの高速かつ安全なアクセスが可能な場所で高性能なコンピューティングパワーが必要です。

これらの課題を対処するために、各企業は、自社のITインフラに対して考慮すべき重要な点が2つあります。

大量データの取り込みには、高帯域で低レイテンシの接続が必要:自動車会社へのコネクテッド関連ソフトウエアを提供するグローバル企業Elektrobit(EB)の最大の課題は、試験車が日々生成する膨大な量のデータを安全に保存、移動、処理する方法でした。フランクフルトのEquinix International Business Exchange™(IBX®)のデータセンター(FR4)にあるEquinix Solution Validation Center®(SVC®)で、Microsoft Azureへ一日30台分の19TBに至るデータアップロードの試験を行うために、「デジタルデータガレージ」の実証実験(POC)を実施しました。なお、パブリックインターネット(1 Gbps)、ダイレクト接続(1-10 Gbps) 、およびEquinix Cloud Exchange Fabric™(10 Gbps)などさまざまな接続速度を方法を試験しました。

データの検証を除くと、ECX Fabric™ 経由のクラウドへのアップロード速度は、インターネット経由でのアップロードと比較して、時間を85日からわずか12時間にまで短縮しました。アップロードと処理に要する時間が短縮されただけでなく、エクサバイト単位でデータをより適切に管理できるようになったため、連携チームのワークフローが簡素化され、開発プロセスが迅速化しました。ECX Fabric™ を活用してエッジでクラウドにアクセスすることで、テラバイト以上のデータをEBから一晩で取り込むことができ、Elektrobit社の顧客が試験運転のデータをより迅速に処理して利用することが可能となりました。

  • AIモデルの構築を成功させるには、ビッグデータ+高性能なコンピュート能力が必要:AIモデルの品質は、これを構築するために使用するデータの品質と同等であり、それ以上でもそれ以下でもありません。AIモデルをより迅速に試作車の制作、テスト、改良を行うために、データサイエンティストは、センサー、カメラ、その他のエッジソースを含む複数のソースからの膨大なデータセットにアクセスする必要があり、コンピュートリソースとデータセットとの近接性も必要とします。そして、Platform Equinix®上のAIインフラストラクチャは、複数のクラウド、プライベートデータセンター、データブローカーへの高速かつ安全な相互接続を備えた高性能なコンピュートリソースへのアクセスを提供します。エクイニクス、NVIDIA、NetApp、Core Scientificが試験運転で提供するサービスプラットフォームとしてのAIを使って、企業は以下のメリットにより自社のADAS開発を加速することができます:
  • データサイエンティストにとってサービスとしてのAIが簡単に利用できます。
  • あらゆる主要AIソフトウエアの枠組みを実行するための高機能なコンピュート、ネットワーク、ストレージの技術が利用できます。
  • パブリッククラウド、プライベートデータセンター、エッジのロケーション全体を網羅するITシステムやデータソースへの高速かつ安全なインターコネクション(相互接続)が利用できます。

IoT、5G、AIなどの新しい技術は、自動運転車、スマートシティ、拡張現実(AR)など、無数の新しいユースケースを実現しています。しかし、プロトタイプを構築し試験の競争が激化する中、これをサポートするITアーキテクチャに対する長期的な影響は見過ごされる可能性があります。また、今から5年後には、自動運転車は現在の10~100倍のデータを集めるようになるかもしれません。

このようなハードルを乗り越えるには、迅速なデータ収集、取り込み、分析をサポートできる分散型かつ拡張性の高いITインフラが必要になります。プロバイダや企業/パートナー会社で密集したエコシステムへのグローバル規模のプライベート接続によって、データ、インサイト(知見)、AIモデルの迅速かつ安全なデータ交換が可能になり、業界全体でADASのイノベーションを加速させることができます。

自動車業界が直面する機会と課題についての詳細情報は、IDC Infobite をダウンロードして下さい。

またご興味のある方は、以下のブログもご覧ください。

How Equinix and NVIDIA are Paving the Way for Autonomous Driving

Racing Toward a Connected Automotive Industry

Driving Through The Data Downpour With Smart Transportation

Connected Vehicles: When the Leader Doesn’t Always Win Alone

[i] Emerj, The Self-Driving Car Timeline – Predictions from the Top 11 Global Automakers, Mar 2020.

[ii] For Self-Driving Cars, There’s Big Meaning Behind One Big Number: 4 Terabytes, April 2017.

Platform Equinix®上のAIインフラストラクチャは、複数のクラウド、プライベートデータセンター、データブローカーへの高速かつ安全な相互接続を備えた高性能なコンピュートリソースへのアクセスを提供します。