データセンターを選ぶ際に企業が考慮するべき7つのこと

Yogesh Malik
データセンターを選ぶ際に企業が考慮するべき7つのこと

現在、世界中には7,000社を超えるデータセンタープロバイダが存在します。[i] これらのプロバイダの多くは、たとえ大手企業であっても、ハイパースケール、ホールセール、コロケーション、リテール、あるいはマネージドサービスなど、異なる市場戦略に焦点を当てているため、これらのプロバイダを同一条件で比較することは困難です。

企業が何を求めているのかを把握することで、現在および将来のニーズに最も適したデータセンターパートナーを選択することができます。このブログでは考慮すべき7つの点を紹介します。

1. ロケーション

企業は、大規模なIT導入、事業継続性/災害復旧、または、従業員、お客様、パートナーとの距離を縮めるために、さまざまな戦略的ロケーションをまたいで複数のデータセンターへアクセスすることが必要になる場合があります。環境および社会経済的な条件が良好なデータセンター施設は、総合的な運用リスクの低減と効率性の向上を可能にします。また、安定したエネルギー源、ネットワーク接続、および同じデータセンターまたはキャンパス内における業界パートナーへの近接性も不可欠です。そして企業は以下の内容を問うべきです。

  • プロバイダのデータセンターの広さは?
  • ミッションクリティカルなアプリケーションを冗長インフラをどこに配置できるのか?
  • ロケーションの特性は?また、それぞれの特性がデータセンターの運用に及ぼす影響は?
    ―気候(気温、天候パターン、自然災害)
    ―規制および市場の状況
    ―地域のインフラ状況(交通、通信、エネルギーなど)

エクイニクスはロケーションを重視し、地域の状況を考慮しながら、データセンターのロケーションがお客様の戦略に合致するように考慮しています。210を超えるEquinix International Business Exchange™(IBX®)のデータセンターは、55の都市圏を物理的および仮想的に相互接続しており、企業が求めるロケーション内でデジタルインフラを実現することができます。また、エクイニクスは継続してオンデマンドで利用できる拠点を拡大し、より多くのロケーションでサービスを展開しています。直近では、カナダメキシコワルシャワを新たなロケーションとして拡張し、年内にもさらにロケーションを追加する予定です。

2. 電力と冷却について

データセンターを稼働し続けるには、冗長電源と冷却装置が不可欠です。Uptime Instituteにおけるデータセンターの最新調査によると、1回のシステム停止で100万ドル以上の費用がかかる可能性があり、停電はシステム停止の最大の原因です。[ii]  データセンターはかなりの高温で稼働する可能性があるため、適切な冷却システムを確保することが重要です。理想的には、1つのシステムが完全に停止した場合にもう1つのシステムが引き継ぐことができるように、マルチパスの構成によって冗長性を構築しています。以下のような質問をします。

  • データセンターの電力および冷却装置のプライマリとバックアップのソースは何か?
  • エネルギー源はどの程度クリーンで再生可能なエネルギーを利用しているか?
  • 電力の冗長化をどのように確立され、テストされているか?
  • 災害が発生した場合、データセンターはどのくらいの期間、オンサイトのバックアップ電源を使用して稼働し続けることができるか?
  • 平均負荷および最大負荷での使用量は?
  • 使用量の増加に備えて、最大キャパシティはどれぐらいあるか?
  • データセンターの温度はどのように管理されているか? コールアイルやホットアイル対策、水冷、または、空冷などを活用しているか?

電力および冷却に対するエクイニクスのアプローチは、信頼性、冗長性、および革新的な冷却システムに重点を置いています。エクイニクスの設備は、N+1冗長レベルの完全無停電電源装置(UPS)システムと、現地の電力障害が発生した場合に備えたバックアップ発電システムで構築されています。停電の場合、バッテリーがすぐに有効になり、8秒以内に発電機が起動されます。この発電機は、必要に応じてデータセンター全体に電力を供給することも可能です。冷却は、お客様の機器をピーク時に稼働させるために不可欠な要素であるため、エクイニクスのデータセンターには、24時間365日稼働する複数のコンポーネントの温度制御システムも設置されています。ロケーションによっては、湖の深層水による冷却、外気によるクーリング、コールドアイル対策など革新的な冷却システムを導入しています。冗長電力持続可能な設計については、私の同僚が執筆したブログをご覧下さい。

IDCは、コロケーションやインターコネクション(相互接続)のサービスにおいてエクイニクスを業界のリーダーとして評価しています

IDCは、コロケーションやインターコネクション(相互接続)のサービスにおいてエクイニクスを業界のリーダーとして評価しています。
IDCのインターコネクション(相互接続)とコロケーションサービスのベンダー9社の比較評価では、クリティカルなインフラのプロバイダであるエクイニクスの主なメリットが説明されています。

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3. 接続性、中立性、そしてエコシステム

たとえ最新の設計によるイノベーションで最高の機能を備えたデータセンターであっても、サービスプロバイダとエンタープライズパートナーからなる成熟したエコシステムを有するデータセンターほど価値があるとは言えません。IDCによると、「幅広いネットワークプロバイダ、インターネット交換(IX)施設、および主要なクラウドプロバイダへのアクセスを提供するのが、最も優れたコロケーションプロバイダ」だとしています。[iii] キャリア中立のデータセンターは、多くのプロバイダや企業がITサービスとリソースを集約し、相互接続する場所である傾向があるため、企業に柔軟性や優れたコストパフォーマンスがもたらされます。そして、多様な接続性とクラウドオプションから選択できるため、ベンダーロックインを回避するハイブリッドマルチクラウドインフラを容易に構築することもできます。よくある主な質問は次のとおりです。

  • ビジネスを展開する場所とデータセンターがどのように接続されるのか?
  • 各都市圏、地域、国、そしてグローバル規模でどのようにデータセンターが相互接続されているのか?
  • グローバルの海底ケーブルのルートに直接アクセスは可能か?
  • データセンター内で自社がアクセスできるのは、どのようなネットワーク事業者、クラウド、企業か?
  • 自社のネットワーク事業者を利用することは可能か?
  • パブリックインターネットを回避しながら、冗長性のために複数のプロバイダに接続するにはどうすればよいか?
  • ソフトウェア定義の接続が利用可能か?また、このような接続がオンデマンドで構築可能か?

エクイニクスは、設立当初からパブリックでもプライベートでもトラフィック交換に対して中立的な立場を取っています。世界の主要ネットワークは、我々のIBXデータセンター内でインフラを構築、接続し、現在Equinix Internet ExchangeTM は、お客様に対して30以上の市場に対応する世界最大のインターネットピアソリューションへのアクセスを提供しています。

ベンダー中立のプラットフォームとしてエクイニクスのIBXデータセンターは、様々な業界にわたるクラウドや企業から成る成熟したエコシステムと連携しています。企業は、Platform Equinix® 上で、1,800を超えるネットワーク、2,900を超えるクラウドおよびITサービスプロバイダ、そして9,700を超える企業に物理的および仮想的に接続が可能になります。たとえば、Equinix Cloud Exchange Fabric™(ECX Fabric™)を使用することで、企業は45以上のロケーションにわたってソフトウェア定義のインターコネクション(相互接続)を通じてエクイニクスのグローバルプラットフォーム上に分散するインフラやデジタルエコシステムに安全かつ動的にダイレクト接続することができます。また、Platform Equinix上のネットワーク機能仮想化(NFV)インフラであるNetwork Edgeを介して仮想ネットワークサービスを即座に展開し、接続することもできます。

4. セキュリティと施設へのアクセス

データセンターは現代のビジネスの中心であり、データセンター内のデータと機器を保護することが最も重要です。高度なセキュリティ対策には、階層化されたセキュリティゾーン、生体認証アクセス、カメラ、監視システムが含まれます。データセンターのセキュリティの評価方法の一つとして、重大な障害が発生した場合にベンダーにオンサイトでパーツを交換してもらうプロセスの確認が挙げられます。以下のような質問を必ず含めて下さい。

  • データセンターのプロバイダはどのようにしてデータセンターの安全性を維持しているか?
  • 特にCOVID-19の世界的大流行において、自社の機器にアクセスして配送品を受け取るためのセキュリティ手順はどのようなものか?
  • 緊急修理のために現場に来てくれる業者が必要な場合、その業者が自社の承認リストに載っていない場合、この業者が自社の機器にアクセスできるようにするにはどのようなプロセスが必要か?
  • アクセスログはどのように管理されているか?
  • すべての主要な出入り口に防犯カメラが設置され、24時間365日監視されているか?

エクイニクスは業界のリーダーとして、セキュリティを重視しています。エクイニクスの施設を訪問すると、データセンターへのアクセス(入館)を積極的に管理・監視する専門スタッフ、高度なセキュリティ機器、および技術や手順を目にすることでしょう。通常訪問者は、24時間365日体制の有人セキュリティステーション、マントラップ、バイオメトリックリーダーを含む5つのセキュリティチェックポイントを通過します。入庫および出庫は、セキュリティチェックやセキュリティ処理の対象となり、事前にスケジュール化する必要があります。エクイニクスでは、グローバルIBXデータセンターポリシーを遵守して運用を行い、アクセスを提供しています。さらに、エクイニクスの施設をサポートする従業員への配慮とケアは最優先事項であり、COVID-19の世界的大流行への対応については、お客様やパートナーなどそれぞれへの継続的なコミットメントを維持するためにエクイニクスがどのように状況に順応してきたかを含めてご覧いただけす。

5.SLA、アップタイム、コンプライアンス、認定

これからのデータセンターのパートナーを調査する際に考慮すべき最も重要なことの1つは、この企業がコミットするサービスレベルとその実績です。SLA(サービスレベルアグリーメント)は99.99%が一般的ですが、データセンターはそれよりもはるかに高いアップタイムを達成している場合もあります。監査や認証によって、データセンターの信頼性、セキュリティ、および法令順守の独立した評価が提供されますが、特に後者(認証)は、医療業界、金融業、政府機関などの業界にとって特に重要です。よくある主な質問は次のとおりです。

  • データセンターのプロバイダのSLAはどのようなものか? また、SLAが満たされていない場合、どのような対応策が提供されるか?
  • この施設は過去5年間にどのくらいのダウンタイムを経験しているか?
  • このデータセンターはどのような認証を取得しているのか、また業界の法的要件を満たしているか?
  • 認証は定期的に更新されているか?

エクイニクスは、お客様が大手のデータセンターのプロバイダに期待するサービス品質を提供するために、多面的なアプローチをとっています。IBX拠点のアーキテクチャには、クリティカルなインフラの設計で冗長性が組み込まれ、実証済みの運用や保守のプラクティスによって補完されています。独立した認証機関による定期的な監査を実施することで、確実にインフラの認証と標準運用のための手順書(SOP)が維持されるようにしています。これには、大手データセンターのプロバイダに求められる規制、法律、およびベストプラクティスの責任を厳格に遵守する必要がありますが、この結果として、エクイニクスのIBXデータセンターの世界平均アップタイムは99.9999%という業界をリードする実績を達成しています。

IDCは、コロケーションやインターコネクション(相互接続)のサービスにおいてエクイニクスを業界のリーダーとして評価しています

IDCのインターコネクション(相互接続)とコロケーションサービスのベンダーの9社の比較評価では、クリティカルなインフラのプロバイダであるエクイニクスの主なメリットが説明されています。

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6. サポート、サービス、監視

データセンターパートナーを選択した後は、機器およびITサービスのインストール、実装、または移行に関するサポートが必要になる場合があります。また、ITインフラの展開をした後には、インフラを監視および保守する必要があります。お客様は、あらゆるアラートやイベントを現場で管理することはできないため、データセンターが提供する監視ツールとリモートサポートの種類を理解することが不可欠です。対象となる領域は次のとおりです。

  • インストールと継続的(定期的)なメンテナンスにはどのようなサポートがあるか? また、24時間365日利用可能か?
  • 現場のエンジニアはどのようなタイプのトレーニングと技術資格/認定を有するか?
  • 部品の調達や設置など、どのようなサービスを提供しているか?
  • どのように機器を監視し、どのようなレポートを作成できるか?
  • 複数のサイトで自社が展開している場合、単一画面での表示は可能か?
  • 自社独自のレポート作成ツールを統合して、さらなるインサイト得るための追加データを取得することは可能か?

エクイニクスの経験上、お客様は専門知識とアドバイスをエクイニクスが提供することでエクイニクスを信頼しており、お客様のスタッフの目標と能力に合った様々なレベルのサポートサービスとツールを求めています。これらのニーズに対応するため、次のような幅広いサポートを提供しています。

Equinix Infrastructure Services(EIS)では、ITインフラの設計や設置におけるお客様のニーズに対応するために、エクイニクスのデータセンターに関する専門知識を世界中の認定テクノロジーパートナーのスキルや規模と組み合わせています。これには機器のカスタマイズ設計、調達、設置、およびデータセンターの移行が含まれています。

Equinix Smart Hands® では、お客様のデータセンター機器を24時間体制で技術者がサポートします。Smart Handsは、柔軟なサポートプランを提供し、パッチ適用、ハードウェアのリセット、機器の交換、トラブルシューティングなどの定期的な運用タスクを実行することができます。

IBX® SmartViewTM は、エクイニクスのデータセンターのインフラ管理(DCIM)ツールであり、お客様のデジタルオペレーションの可視化をオンデマンドで可能にします。エクイニクスカスタマーポータル(ECP)やIBX SmartView APIを介して、お客様のIBXのデータセンター環境に即してリアルタイムで運用されているデータにアクセスできます。消費電力、環境、機械、電力情報など企業のIBXデータセンター環境に合わせてリアルタイムの運用データへのアクセスが可能になります。

7.  拡張性とイノベーション

企業は、事業拡大に合わせて自社のITインフラを拡張する必要があります。データセンターが現在、企業が必要とするスペースと電力をどのように満たすことができるか、また、同じロケーションだけでなく、別のロケーションにおいても、企業の将来のニーズを満たすために、どの程度迅速に将来のニーズに合わせて拡張することができるのかを検討してください。また、次のような点にも注意してください。

  • 現在企業が導入を必要としているのは何か? そして、時間の経過とともにどのように変化するか?(キャパシティ、電力、冷却)
  • データセンターの運用能力は十分なのか? もしくは、拡張の余地はあるか?
  • データセンターのプロバイダは、自社の事業拡大をサポートするための様々な地域で拡張を継続できるだけの強固な財務状況や資本を有しているか?
  • データセンターのプロバイダは、どれぐらい迅速に自社の要件を満たすことができるか?
  • データセンターのイノベーション、自動化、最新のテクノロジーの活用において、データセンターのプロバイダはどのように業界をリードしているか?

エクイニクスは、常にお客様のために将来を見据えています。エクイニクスのIBXデータセンターは、最高水準のセキュリティ、コンプライアンス、信頼性、および持続可能性を満たすように設計されています。90%のお客様が、エクイニクスを同業他社に勧めたいと言っています。エクイニクスと取引を重ねている実績が、裏付けとなっています。

エクイニクスのGreen Design Innovations(グリーンデザインイノベーション)の記事では、どのようにエクイニクスのアプリケーションプログラミングインターフェイス(API)がお客様のデジタルトランスフォーメーションの加速にどの様に貢献しているのか、主要パートナーとの直近の5GAIに関する取り組みについても説明しています。

エクイニクスがどのようにこの業界を牽引しているかについては、 IDC – 世界のコロケーションおよびインターコネクション(相互接続)サービス2019 – 2020ベンダー評価をご覧下さい。

 

[i] Cloudscene, Cloudscene Announces H2, 2019 Data Center Ecosystem Leaderboard Rankings, Jan 30 2020.

[ii] Uptime Institute, Annual Data Center Survey Results, 2019.

[iii] IDC, Marketscape Report, Worldwide Colocation and Interconnection Services 2019 – 2020 Vendor Assessment, 2019.

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