エクイニクスとCisco:高品質のアプリケーション体験を実現

SD-WANを活用したハイブリッドマルチクラウドの基盤を構築するための4つのベストプラクティス

Jason Zral
Chad Arnold
エクイニクスとCisco:高品質のアプリケーション体験を実現

エクイニクスとCisco® の両社にとってお客様に「選択権」を提供すること、つまり、お客様の希望するモノを希望する場所と時間に提供すること、は非常に重要です。​ほぼ全てのモノに対してアプリケーションが存在し、ほぼ全ての人がアクセスできるApplication Economy(アプリケーション経済)の時代には、この「選択権」は特に重要だと言えます。 さらに、お客様のロケーションに関係なく「高品質の体験(QoE)」をユーザーに提供できるようにする必要もあります。​つまるところ、ユーザー体験が良くなければ、お客様を失い、収益の損失につながる可能性があります。

リモートワークが急増している今日、リアルタイムの統合型コミュニケーションおよびコラボレーション(UCC)ソリューションが求められています。これらは、物理的ロケーションに関係なく、作業の効率性を最適化するための高品質のサービス(QoS)を提供してくれます。しかしながら、パブリックインターネットを経由したUCCソリューションへの接続では、最高のパフォーマンス、最小の遅延、そしてネットワークサービス保証を実現できる「決定的なパス」が本質的に欠如しています。

​簡単に表現すると、現代のビジネスとして成功するには、世界中のあらゆる場所から(多くがハイブリッドマルチクラウドのインフラ上で現在展開している)アプリケーションにアクセスする際に、優れたユーザーエクスペリエンスを提供できるかどうかが重要です。Flexeraによると、直近の2020 State of the Cloud(2020年のクラウドに関する調査)に参加した企業の93%がマルチクラウド戦略を策定し、これら企業の86%が複数のパブリッククラウドを導入し、60%が複数のプライベートクラウドを利用しています。[i]

エクイニクスとCiscoは提携し、数多くのソリューションから様々な選択肢を提供することで、最適で安全なアプリケーション体験をお客様に提供できるように支援しています。エクイニクスは、ネットワークサービスプロバイダとのシームレスな統合により、クラウドへのプライベート接続を提供しています。実際に、2,900社以上のクラウドやITサービスのブロバイダ、そして1,800のネットワークサービスがPlatform Equinix®上に存在しています。

Ciscoは、ネットワーク、コンピューティング、セキュリティソリューション業界のリーダーです。例えば、Ciscoは、SD-WANにおける世界の市場占有率が46%を占め[ii]Equinix Cloud Exchange Fabric®(ECX Fabric®)に接続する全機器の70%はCisco製です。エクイニクスとCiscoが協力してECX FabricとNetwork Edge上に Cisco Webex® Edge Connectを構築し、Webexユーザーがロケーションに関係なく確実かつ安全に会議にアクセスし、最適なUCCエクスペリエンスを享受できるようにしています。

Ciscoはエクイニクスとのパートナーシップにより、ユーザー、遠隔地にある本社、支社、データセンターとクラウドプロバイダに接続するアプリケーションに対応できるように企業のWANアーキテクチャを最適化するために、幅広いソリューションと導入オプションをお客様に提供しています。」
-  Mary Perisic, Partner Executive, Global Strategic Partner Organization, Cisco

エクイニクスとCiscoによるクラウド最適化WANの提供方法

企業の広域ネットワーク(WAN)がハイブリッドクラウド導入やデジタルトランスフォーメーション施策の基盤を提供することが、エクイニクスとCiscoのパートナーシップの中核です。言い換えれば、企業がハイブリッドのマルチクラウドのデジタルトランスフォーメーション戦略をうまく展開するには、エンタープライズWANの最適化を最初に着手すべきだということです。そしてこの戦略に以下が含まれます。

  • プライベートのインフラとパブリッククラウドの両方において、アプリケーションパフォーマンスを最高のユーザーQoEとして実現
  • サイバー脅威からの保護とコンプライアンス規制の遵守
  • 全般的なコストと運用の煩雑さを軽減

これらの課題に着手するために、以下を念頭に置くことが重要です。

  • 企業がSD-WANなどの技術を使わずにパブリッククラウドに接続すれば、低遅延の最適な帯域幅の提供が保証されず、データトラフィックもセキュリティリスクに対してより脆弱になる。
  • 長距離データパスによってデータのホップ数が増加し、帯域幅や遅延に対して悪影響が及ぶ可能性があることから、ロケーションも重要要素となる。

​企業は、アプリケーションとワークロードをハイブリッドおよびマルチクラウド環境で実行することに、より依存するようになっています。​ユーザーのQoEを最適化するために、WANアーキテクチャを再評価し、帯域幅、遅延、セキュリティのニーズを十分に満たしているかどうかを確認することをべストプラクティスとして推奨しています。

Ciscoとエクイニクスは、この活動を支援するために独自の協力体制を構築しています。両社のお互いのお客様に対して、WANアーキテクチャを最適化し、オンプレミスおよびクラウド環境に広がるアプリケーションの最適なブリッジとなるようなオプションを提供します。

ここでは、4つの具体的なユースケースを説明します。

図1:エクイニクスとCiscoによる企業の共同ユースケース

ユースケース#1:クラウド接続

Ciscoとエクイニクスは、ソフトウエア定義ネットワーク(SDN)、ネットワーク機能仮想化(NFV)、エッジ製品/サービス機能が緊密に統合するポートフォリオを提供し、お客様は支社、マルチクラウド、ハイブリッドITのユースケースに対して物理的および仮想展開モデルのオプションを選択することができます。

クラウド接続については、Ciscoとエクイニクスのアプローチでは、自己管理型とパートナー管理型の両方のWANオプションを提供しています。これらのWANオプションは、基本的により高速で、低コスト、そして安全なQoSをコミットしています。これは、現在MPLSキャリアが提供している選択肢と比較して、接続がプライベートであるためです。エクイニクスのNetwork Edge上でのCisco SD-WANとの相互接続により、ECX Fabricを介して複数のクラウドプロバイダに直接かつ安全に接続できます。

図2:エクイニクスとCiscoによるクラウド接続

ユースケース#2:分散型WANアーキテクチャ

アプリケーションのパフォーマンスとセキュリティを改善するために、企業は分散型WANアーキテクチャを展開しています。これにより、従来の集中型トポロジーは、パブリックインターネットを介してカスタマーデータセンターを接続しデータをバックホールするMPLS回線上で運用されてきましたが、分散型アーキテクチャが導入されました。この分散型WANのアプローチでは、エンドポイントをEquinix International Business Exchange™(IBX®)データセンター内に直接接続し、Equinix Fabricを通じてグローバルに安全に相互接続します。

SD-WANは、AWS Direct Connect、Microsoft Azure ExpressRoute、Cisco Webex Edge Connectなどの分散型プライベートインターコネクション(相互接続)PoPを介して遅延を最適化します。ECX Fabricと連携して、ECX Fabricを活用するお客様に最小限の遅延と最大の帯域容量を提供します。共通のお客様はSD-WANの最適化のためだけでなく、レイヤー2およびレイヤー3のEthernet Virtual Private Line(EVPL)やMPLS WAN終端のアグリゲーションにも、すべてがECX Fabricを経由して、パブリッククラウドのプライベートインターコネクション(相互接続)へ向かうルートを採用しています。

ユースケース#3:エッジにおけるプライベートクラウド

多くのCIOは、自社のデータセンターでオンプレミスで実行しているワークロードを制御してセキュリティを講じることを希望しているのは事実ですが、これらのワークロードを安全で十分に管理された場所に移行する可能性にますます魅力を感じているようです。​これにより、データセンター業務から開放され、限られたリソースを各自のコア業務に集中させることができます。​また、プライベートおよびパブリック環境で実行しているワークロードを高速かつ低遅延で接続できるようになるため、アプリケーションのパフォーマンス向上にも役立ちます。

エクイニクスはコロケーションデータセンターとマネージドサービスを提供し、オンプレミスのインフラを物理的にエッジ(クラウドやSaaSプロバイダーに近接するエクイニクスのIBX®データセンター)に移行します。​実際、お客様のWANトランスフォーメーションをサポートするために、既にエクイニクスに移行を完了している場合は、次のステップとしてオンプレミスのインフラも同じIBXデータセンターに移動し、Ciscoのコンピューティング、ネットワーキング、セキュリティデバイスを導入することも可能です。

ユースケース#4:コラボレーションデバイス

ECX FabricやNetwork Edge上のCisco Webex® Edge Connectは、Cisco Webexとお客様構内で専用の接続を提供することで、より最適かつ安全なコラボレーション体験を提供します。これは、ECX Fabricを介しての直接的なピアリングにより、パブリックインターネットを回避することで実現します。

お客様シナリオ:パブリッククラウドでITインフラの再活性化

カナダに本社を置く、北米の電力インフラの開発会社が、戦略的なデジタルトランスフォーメーションを行い、オンサイトのサーバやデータセンターをパブリッククラウドへ移行しました(SAP ERP環境を含む企業の業務および商用アプリケーションの90%をAWSへ移行)。その結果、同社はアプリをクラウドに移行することで、柔軟性を高め、ワークロードにかかる費用を30%削減できました。​同社のCIOも、人員を削減することなくこのような改革を実行したことを誇りに思っています。​このCIOは、「我々は人員削減をしようとしているのではなく、人を再目的化し、より価値ある仕事に従事しています」と言及しています。

他の石油やガス関連企業のお客様は、Equinix Platform上のCISCO ASR 9000機器を冗長活用し、ECX Fabricを介した10Gbps EVPLx2に終端して、Azure、AWS、及びその他のクラウドやSaaSの接続先へのルーティングを最適化しています。

エクイニクスとCiscoが連携することで、さまざまな業界でお客様の成功を実現しています。エクイニクスとCiscoは、IT組織がより多くの価値を提供し、今日のアプリケーションエコノミーのダイナミックな需要を満たせるための変革を実現するために、パートナーとして協力体制を構築しています。

Ciscoとエクイニクスがどのように企業をサポートできるかについては、エクイニクス/Ciscoのパートナーページをご覧下さい。

Cisco Webex® Edge Connect ebookもご覧下さい。

 

[i] RightScale® 2020 State of the Cloud Report from Flexera™

[ii] Cisco Blog, “Cisco Ranked #1 for 2018 Market Share in SD-WAN Infrastructure,” July 29, 2019.

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Jason Zral Guest Author: Regional Director, Western Canada, Cisco
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Chad Arnold Senior Director, Canada Sales
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