仮想ネットワークサービスのためのデバイスリンク

都市圏やプロバイダをまたいでNFVサービスのデバイスリンクを行うことでネットワークの俊敏性の向上を実現

Matt Ward
Brad Gregory

COVID-19パンデミックは、世界中にわたってビジネスの大規模な中断を引き起こしてきました。特にIT組織にとっては、「ステイホーム」の指示、旅行や出張の制限、サプライチェーンの問題などの影響が、新しいネットワーク機器の納品に長期の遅れが生じる原因となってきました。こうした状況が、既存の機器を管理するためにデータセンター内に実際に足を踏み入れられないことと相まって、ネットワークアーキテクトが調整を加えざるを得なくなっています。

ネットワーク機能仮想化(NFV)の利用は、こうした問題の信頼できる回避策となります。ネットワークアーキテクトは、NFVにより、サプライチェーンやデータセンターへのアクセスの問題について心配することなく、インフラストラクチャを仮想的に複製し、複数の都市圏や地域にわたってサービスをオンデマンドで利用できます。NFVでは、ルータ、ファイアウォール、SD-WANなどのネットワークハードウェアデバイスの機能が提供され、物理ハードウェアを導入する必要がありません。これは特に、増加する従業員のリモートワークをサポートするために、リモートアクセスインフラストラクチャを迅速にスケーリングする必要に迫られているお客様にとって非常に有用です。

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ネットワークの俊敏性、範囲、規模に対してまったく新しいレベルの制御を実現します。数分のうちに容量を拡大して新しいプロバイダに接続し、新しいロケーションを追加します。デバイスやエンドポイントの急激な増加時にも、従業員は継続して業務することができます。

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マルチレイヤーの高可用性仮想デバイスリンク

エクイニクスは、変革をもたらすNVFのメリットを熱心に提案している企業であり、この分野に多額の投資をし続けています。その典型は、エクイニクスのNetwork Edgeで利用できる新機能である、仮想ネットワークサービス用のデバイスリンクです。お客様はこれを使用すると、さまざまなネットワークベンダが提供するITネットワークハードウェアのフルスタックを仮想的に相互接続できます。データセンターのキャビネット内で物理的にデバイスをラックに収納してスタックする代わりに、これらのデバイスはNetwork Edgeを介してPlatform Equinix上で仮想的に展開され、Equinix Fabric™を介して、ご利用のクラウドまたはネットワークサービスプロバイダに相互接続することができます。この機能では、Network Edgeでサポートされている、異なるNFVプロバイダからの2台以上のネットワークアプライアンスを単一、または複数の都市圏にわたって接続することが可能です。

例えばファイアウォールは、追加のハードウェアなしに数分のうちに、マルチクラウドのエッジルータと共に展開できます。

Network Edge内で仮想のCross Connectを使用して、2つ以上のVNF(仮想アプライアンス)をリンクできるようになりました。これらのCross Connectによって、標準プロトコルを使用した、より堅牢なHA展開が可能になるVNF間のレイヤー2連携が可能になります。クラウドの速度での実現と、必要な時間と場所にネットワークサービス機能を展開しなかればならない企業にとって、それらの労力すべてを解消することは、貴重な時間を節約することになる飛躍的前進です。

Network Edge上での仮想ネットワークサービスのデバイスリンク

Network Edgeサービスを利用する企業は、新しいデバイスリンクサービスと、Cisco、Fortinet、Juniper Networks、Palo Alto Networks/CloudGenix、VMware VeloCloud、Versa Networksなどの数々の主要NFVプロバイダをすばやく直接的に利用できるようになります。お客様は、物理的なキャビネットの調達、設置、構成を待つのではなく、Network Edge内に迅速に仮想PoP(Point of Presence)を展開することができます。

エクイニクスのシリコンバレーにあるInternational Business Exchange™(IBX®)データセンター内に機器を物理的に設置している企業が、英国内にあるGoogle Cloud環境とMicrosoft Azure 環境の間に接続を確立したいとします。この企業は、英国でさらなる物理的機器を設置するのに伴う資本支出、長期の契約、デバイスの設置とセットアップの費用を回避したいと考えています。Network Edgeを使用すると、企業はシリコンバレーに置かれている既存のフルスタックのハードウェアデバイスを利用し、エクイニクスのロンドンIBXデータセンター内に仮想ルータを作成してGoogleとAzureを接続できます。シリコンバレーにある企業の機器に接続するため、エクイニクスのネットワーク上にEquinix Fabric™のデータ接続がプロビジョニングされます。2つの地理的拠点を接続する回路を含め、数分で新しいロケーションのソリューション全体を展開できます。クラウド間のルーティングは、2つのクラウドプロバイダー間にセキュアな直接接続を提供するためにエクイニクスのデータセンター内に展開される仮想デバイスを利用して実現することもできます。Network Edgeの仮想化アプローチにより、バックホールに伴う遅延の問題が解消され、複数の長距離専用回線の必要性とコストがなくなります。

Network EdgeでNFVサービスのデバイスリンクを行うことが特に有益なのは、ネットワークアーキテクトが、ネットワークの範囲をすばやく拡張する場合や、広範囲に分散されているネットワークのエッジでネットワークのパフォーマンスやアプリケーションの改善を望む場合です。これらの場合、NVFが、ルータ、ファイアウォール、VPN、SD-WANなどのネットワークサービスを展開するための一般的な方法となってきています。この方法を使用すると、複数の仮想ネットワーク機能をオンデマンドで展開して一元的に管理し、従来のネットワークハードウェアによるアプローチと比較して、より迅速でコスト効果に優れた方法でネットワークサービスの提供と管理を行うことができます。

リモートワーカーの増大という今日の状況に話題を戻すと、多くの組織は、リモートで接続する従業員に100%対応できる容量を配備していません。用意されているのは50%の容量だけの場合もあるでしょう。Network Edgeを利用すると、こうしたお客様は、リモートアクセスインフラストラクチャを迅速にスケーリングし、増大した需要に対処することができます。

NFVサービスのためにNetwork Edgeデバイスリンクを使用してネットワークの俊敏性を向上させる方法の詳細をご確認ください。

Matt Ward Principal Solutions Architect
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Brad Gregory Product Marketing Manager, Edge Services
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