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「サービスとしての正確な時刻」をリリース

分散するデジタルインフラストラクチャへの「サービスとしての正確な時刻」の実現を支援

Ramki Ramakrishnan

「時間は幻影」は、アルバートアインシュタインが残した表現です。
しかし、データセンターやリアルタイムのアプリケーションにおいては、時間はあまりにもリアルであり、かなり正確に管理する必要があります。例えば、車でインターステイト(州間高速道路)を時速70マイルで走行している時にスマホで電話をかけることを想像してください。このスマホから発せられた電波は、基地局から基地局へと経由して通話が成り立ちます。そして、もしそれぞれの基地局の時刻や無線の周波数が正確に同期されなければ、通話は切断されてしまいます。

そしてこの「正確な時刻同期」は、あらゆる業界で不可欠だと言えます。
例えば、「正確な時刻同期」ができなければ、金融サービス会社は、株式取引や不正行為を正確に追跡できなくなり、又、軍事や防衛関連組織も重要な軍事任務が失敗に終わってしまうでしょう。同様に、製造業や医療業務でも、それぞれのオペレーションの調整ができなくなり、自動運転車でさえも事故を避けることができなくなるでしょう。

又、一般的な企業も例外ではなく、「正確な時刻」に深く依存しています。
サーバ、ストレージシステム、スイッチ、ルータが正しく同期されていないと、トランザクションログに問題が生じます。例えば、トランザクションが、7月10日の11:59:58、または、7月11日の12:00:00のどちらかで実行されたとします。 一見、この2つの時間の誤差は、大したものではないように見えるかもしれません。しかし、この僅かな誤差が、複数の相互依存するシステムに波及効果をもたらし、その結果、SLAやコンプライアンスにも影響をもたらす可能性があります。タイミングに関する障害により、ビデオの品質が低いビデオ会議であれば、映像の質が落ちてしまいます(ビデオと同期されていない音声が、ジッターの原因となり、参加者の会話が途中で途切れることがあります)。
更に、サーバ間で時刻同期が取れていないと、サイバーセキュリティに影響を与えることさえあります。ログファイルに整合性が欠けていると、いつどのように侵入されたかを把握できなくなるからです。

安全で信頼性の高い時刻同期を実現

Equinix Fabric™を介して、分散したエンタープライズシステムにグローバル規模で正確、かつ安全なTime as a Service(時刻としてのサービス)を提供します。

詳細はこちら
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時刻同期の方法について

あらゆるコンピューティングデバイスの内部には、なんらかの形で時計が内蔵されています。これらの時計に使用されている水晶(クオーツ)の振動子は、高価な機器ではありません。しかし、ランダムにドリフト(進みまたは遅れ)が生じてしまいます。温度、湿度、デバイスの経年変化などのさまざまな原因によって誤差が生じるのです。
つまり、ネットワーク上の機器が定期的に再同期されない限り、最終的にはすべての機器が異なる時刻で稼働することになってしまいます。
企業のアプリケーションもまた、障害を回避するために1~10ミリ秒のレベルでの時刻同期の精度が必要です。例えば、軍事または宇宙計画のための重要なインフラストラクチャは、1~10マイクロ秒またはサブマイクロ秒またはサブナノ秒の精度が求められることもあります。このような時刻同期の要件を満たすには、ネットワーク上の全ての機器を同期できる信頼性の高い「単一の時間提供」が必要です。特に、自社のデータセンターやエッジを活用してインフラストラクチャを展開するハイブリッドクラウド環境では、「単一の時間提供」を使って同期を行うことは、困難なことです。
現在、分散インフラストラクチャ全体で時間を同期するには、次の3つの方法があります。

DIYアプローチ– 全地球測位衛星システム (GNSSまたは米国ではGPS)を使用することで、企業や組織は各データセンターに受信機とアンテナを配置し、サブマイクロ秒レベルでの精度を実現できます。
このモデルでは、企業は、自社のインフラストラクチャを所有し管理してるため、この企業自体が「インフラストラクチャの運命」を握っていることになります。 しかし、このモデルでは、インフラストラクチャのための調達、設定、運用、およびセキュリティ確保には、膨大なコストと時間かかってしまいます。スタッフの追加とトレーニングが必要であり、地理的なスケールアップやサポートを行うことはとても困難ですが、現時点では、この方法が最も普及しています

インターネット時刻 –ntp.orgまたはその他の時刻サービスを使用すると、企業は公衆インターネット上で無料で時刻同期を簡単に設定できます。ただし、このアプローチにおいては、ほとんどの使用ケースで正確さに欠けるために、SLAがなく信頼性が低いと見なされています。その上、このサービスを使用するには、企業はファイアウォールにポートを開く必要があり、インフラストラクチャがサイバー攻撃の影響を受けやすくなります。

サービスとしての時刻(TaaS):従来型のTime-as-a-Service (TaaS) ソリューションもマイクロ秒レベルの精度を提供していますが、サービスプロバイダがインフラストラクチャの導入や保守を行っているのでDIYアプローチよりも時刻同期の実装や管理が簡単です。しかし、これらのサービスは限られた場所でしか利用できず、拡張にもかなりの費用がかかってしまいます。実際、各拠点に専用のハードウェアを導入しなければならず、サービスプロバイダにとって膨大な費用となるために、このアプローチはあまり普及していません。

ソフトウエアで実現するTaaSの醍醐味

エクイニクスがスポンサーのIDCレポート、Why Enterprises Need a Time as a Service for Digital Edge(企業がサービスとしての時刻をデジタルエッジに必須となる理由)で、様々な現実のケーススタディを紹介しています。この中では、「この(TaaS)メリットは、運用効率、サービスの整合性、事業の成果として現れる」ともあります[i]

例えば、Equinixは、2021年第1四半期に、高精度のTaaSの新サービスであるEquinix Precision Time™の一般提供を発表します。このEquinix Precision Timeを使用すると、Platform Equinix®に導入された企業は、Equinix Fabric™を介しソースタイミングサーバと分散したシステムやデバイスとの間をセキュアで信頼性の高い接続が利用できるようになります。Equinix Precision Timeは、Platform Equinix®の誇る低レイテンシと、5大陸の26か国の60以上の市場の接続性を活用して、Equinix Precision Timeを信頼性が高く、予測可能で、安全なエンドツーエンドで正確な時刻を配信します。

たとえば、Equinix Precision Timeを使用すると、ニューヨーク、シカゴ、ダラス、サンフランシスコのシステムは、ニューヨークのマスターNTPサーバを使用し時刻の同期が可能になります。Platform Equinix上のEquinix Fabricを介して、このサービスに直接かつ安全にインターコネクション(相互接続)することで、パブリックインターネットを介して同期を行う必要がなくなり、時刻の正確性、調整、そしてセキュリティや信頼性を脅かす可能性のある問題を排除できます。

Equinix Precision Timeは、ミリ秒の精度を提供するNetwork Time Protocol (NTP) と、マイクロ秒の精度を提供するより正確なPrecision Time Protocol (PTP) の両方をサポートできます。EquinixのTaaSによって、DIYアプローチの複雑さと、ハードウェアための高額な初期費用から開放されることになります。このEquinix Precision Timeのソリューションはすべての管理とメンテナンス、高可用性を含む包括的なサービスを、CAPEX(設備投資)でなく、OPEX(事業費用)として提供します。他のエクイニクスのサービスと同様に、Equinix Precision Timeも数分でマウスを数回クリックするだけで設定できます。
そして、Equinix Precision Timeを現在北米で既に提供しており、2020年末にはAPACやEMEAにも販売を拡大する予定です。

Equinix Precision Timeがどのように時刻同期の課題を解決するかについての詳細は、Equinix Precision Timeデータシートををダウンロードしてご覧ください。

ITSFのプレゼンテーションも併せてご覧ください。

関連ブログ:

Do Your Systems Have the Correct Time? (お客様のシステム時刻は正確ですか?)

[i] IDC, “Addressing the Enterprise Need for Time as a Service,(企業のサービスとしての時刻の必要性に対する取り組み” Brad Casemore, My 2020, #US46256520.

Ramki Ramakrishnan Director Product Management, Equinix Precision Time Service
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