ネットワーク自動化がもたらす具体的なメリットとは

俊敏性に優れた仮想ネットワークを実環境に展開するための7つのユースケース

Thomas Lee
ネットワーク自動化がもたらす具体的なメリットとは

今日のデジタル環境は非常に複雑化しており、エンタープライズネットワークへの要求が非常に大きくなっています。多くのレガシーシステムでは、人手による大量の介入を必要とするため、ネットワーク運用チームに重い負担を強いられています。この問題を解決するのがネットワーク自動化です。つまり、ネットワークのプロビジョニングと管理をソフトウェアで自動化することによって、ネットワークの効率性と機能性を最大化するプロセスです。

ネットワーク自動化は、以下に示すさまざまなメリットを企業にもたらします。

  • ネットワークとサービスの立ち上げの迅速化
  • ネットワーク変更が容易
  • 標準化されたプロセスによって反復的なタスクを自動化
  • ネットワークの安定性と信頼性の向上
  • ネットワーク可視性の向上
  • 問題解決の迅速化
  • リスクを最小限に抑え、運用コスト全般の大幅な削減

これらの利点は、ネットワーク停止の最大の原因の1つである人的エラーを(無くすわけではないにしても)軽減するのに役立ちます。さらに重要なことは、単純で往々にして労働集約的、かつ膨大な量の業務からチームメンバーが解放され、生産性が向上し、市場での競争力が高められることです。

ネットワークを最新化し、デジタル対応インフラストラクチャを仮想的に数分でエッジに展開

Network Edgeは、モジュラー型インフラストラクチャプラットフォーム上で実行される仮想ネットワークサービスを提供するもので、ネットワークサービスの即時展開とインターコネクション(相互接続)に最適化されています。

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ネットワーク自動化の概要

ネットワーク自動化は、仮想化とソフトウェア定義ネットワーク(SDN)およびネットワーク機能仮想化(NFV)テクノロジーを、より迅速なシステム統合を可能とするAPIを組み込むことで可能になります。これらのシステムを組み合わせることで、運用チームは、継続的なビジネスやサービス目標を達成するために、ネットワーク構成と変更を臨機応変に行えるようになります。

ネットワーク仮想化とネットワーク自動化は、予期せぬ使用量の急増が生じる環境で特に有効です。ネットワークが自動化されていると、ネットワーク内の影響の少ない領域にあるサーバーにネットワークトラフィックを自動的にリダイレクトすることで、使用量の急増に対応できるためです。管理者は、ソフトウェアを展開するだけで、仮想マシン間に仮想ソフトウェアネットワークの確立や、複数の物理ネットワークを管理できます。ソフトウェア定義ネットワーク(SDN)は、関連するハードウェアデバイスとソフトウェアの相互作業を制御します。

実環境での応用企業におけるネットワーク自動化のユースケース

新たなテクノロジートレンドがどれもそうであるように、紙面上では素晴らしく聞こえるテクノロジーが実際の状況でも機能するかどうか疑問に思うことは自然なことです。ネットワーク自動化は、運用チームの生産性を高めると同時に、エンタープライズクラスのネットワークの厳しい条件にも耐えられるでしょうか?その答えは疑いの余地なしに「はい」であり、また、さほど難しいことでもありません。ネットワーク自動化は、Network EdgeやEquinix Fabric™などのサービスによって簡単に導入できます。以下は、ネットワーク自動化が企業の効率化にどのように役立つかを示す7つのユースケースシナリオです。これらのユースケースは、最も広く採用されているシナリオの例にすぎず、Network EdgeとEquinix FabricおよびEquinix Metal™を使用すると、自動化の可能性は無限に広がります。

1. 1対多のクラウド相互接続:ネットワーク自動化により、すべての主要なクラウドサービスプロバイダ(CSP)にプライベートクラウドのオンランプをエッジで提供することで、クラウド接続の集約、最適化、および保護が容易になります。Equinix Fabricでは、単一の物理ポートを介した1対多のソフトウェア定義相互接続を活用して、利用可能なすべてのCSP接続オプションを最大限に活用でき、各CSPの強みを最大化するだけでなく、比類のない柔軟性と拡張性を実現できます。

2. クラウド間接続の最適化:ネットワーク自動化により、運用チームは、複数のクラウドにまたがるアプリケーションやクラウド移行のCSP間接続を最適化することもできます。エクイニクスのNetwork Edgeに仮想ネットワークサービスを展開することにより、先行設備投資(CAPEX)への依存と追加のハードウェア要件を排除できます。Network Edgeは、主要プロバイダのSD-WANエッジデバイス、ルータ、およびファイアウォールなどすぐに使用できるさまざまな仮想ネットワーク機能デバイス(VNF)を提供します。企業はVNFデバイスを動的に展開することで、クラウドサービスプロバイダ間のシームレスなデータ通信をサポートし、各CSPの独自の機能を享受できます。ネットワークデバイスはCSPに近いエッジに配置されているため、レイテンシが最小限に抑えられ、データ転送が大幅に効率化します。Equinix Fabricを使用してエッジでデータを転送すると、お客様拠点の貴重な帯域幅を節約し、パブリックインターネット経由でデータを取得する際のCSPによる高額なイグレス(出口、データ転送)料金を回避することもできます。

 

3. 市場の拡大:追加のハードウェアを必要とせずに、SD-WANまたはVPNを介してエッジクラウドオンランプにシームレスに接続することで、他の市場に簡単に拡大できるようになります。ネットワーク構成が自動化されているため、運用チームはクラウドインスタンス間の仮想ルーティングを数か月ではなく数分以内にオンデマンドで立ち上げることができるため、市場投入までの時間が大幅に短縮されます。新市場に物理的な拠点がないため、オンサイト訪問のための出張も必要ありません。物理的な機器の輸送に多額のコストがかかることも、輸出入規制への準拠が複雑であることも、もはや問題にはなりません。新市場を開拓、ユーザーにサービスの提供、離れた場所にあるアプリケーションやデータにアクセスすることが、より簡単になり迅速化されます。消費量に基づく課金により、企業は使用した分だけ支払うことができるため、多額の資金やリソースを投入することなく新市場をテストする柔軟性がもたらされます。

4. ハイブリッドクラウドファイアウォール:パブリックIPアクセスでは、企業のネットワークがパブリックエンドポイントにさらされることになり、多くのセキュリティ問題が生じる可能性があります。Network Edgeを使用すると、ネットワーク管理者は、関連するハードウェアコストを発生させずに仮想ファイアウォールを数分で展開できます。クラウド内の仮想ファイアウォールは、コアネットワークと資産を保護すると同時に、ネットワークとアプリケーションに安全なリモートでアクセス手段を提供します。企業の資産は、既存の企業エコシステムの一部や、テスト実行で使用されるプロトタイプであるかにかかわらず、パブリックエンドポイントから継続的に保護されます。

5. ブランチからクラウドへの接続をサポートするSD-WANNetwork EdgeでSD-WANゲートウェイを実行すると、ブランチから任意のクラウドへの接続を動的な帯域幅オプションによって合理化できます。各ブランチは、これまでと同じ一貫性のある予測可能なパフォーマンスを享受しつつ、より低コストのネットワークオプションを探すことができるため、大きな経済的メリットもあります。SD-WANは、ネットワーク自動化を実現するための最も簡単で最も広く用いられている方法の1つです。Network EdgeはSD-WANとエクイニクスのデータセンター間のギャップを埋め、企業がクラウドサービスプロバイダやパートナーへのゲートウェイとして利用できるようにします。

6. 複数の地域にまたがるネットワークの最適化Network Edgeと主要プロバイダのSD-WANゲートウェイを使用したネットワーク自動化によって、複数の地域にまたがるリモートサイト間で最適化を図ることもできます。これを行うには、新しいネットワークセグメントを世界中にリモートで展開して、分散型ITインフラストラクチャを他のエンタープライズネットワークと相互接続します。

7. Network EdgeEquinix FabricEquinix Metalでのネットワーク最適化:SD-WANは、コストと複雑さを抑えて従来のWANのすべてのタスクを実行すると同時に、高いパフォーマンス、セキュリティ、および拡張性を向上させることにより、デジタルトランスフォーメーションを加速します。Network Edge、Equinix Fabric、Equinix Metalを組み合わせることで、SD-WANの展開が加速できます。

SD-WANオーケストレータとコントローラは、Equinix Metal上で動作しホスティングできます。Equinix Fabricは、既存のMPLSおよびインターネット接続をシームレスに置き換えるか、それと並行して実行できます。Network Edgeを介した真のエンドツーエンドのゼロタッチSD-WANデバイスプロビジョニングにより、俊敏性を備えたネットワークを数分で迅速に展開できます。システムは特定のタスクを実行するための最適なネットワークパスをインテリジェントにマッピングするため、アプリは適切なサービスレベルアグリーメント(SLA)を完全に満たします。企業がSD-WANを導入する方法としては2つあります。自社でセットアップするか、通信キャリアやマネージドサービスプロバイダを介してマネージドサービスとしてセットアップする方法です。自社でセットアップする企業は、Equinix Metalを使用してオーケストレータとコントローラをホスティングすることでSD-WANを簡単に実装できます。

Terraformがネットワーク自動化を簡素化

堅牢なアプリを開発するには、テスト環境に加え、無数の異なるシナリオをテストできることが必要です。これには通常、カスタムコーディングや大掛かりな手作業など、時間のかかるさまざまな作業が必要になります。この問題を一気に解決してくれるのが、多くのネットワーク自動化作業を簡単なプラグアンドプレイ操作に変えるTerraform.ioです。成長著しいオープンソースのTerraformコミュニティは、多種多様なネットワークリソースに対応したプラグインや、一般的なインフラストラクチャ構成を迅速に展開するためのモジュールを提供しているプロバイダで構成されています。モジュールはコンパクトで再利用可能なTerraform構成ファイルとなっており、開発者は関連するリソースのグループを単一のリソースとして管理することができます。

エクイニクスは、積極的なTerraformプロバイダとして、さまざまなエンタープライズ環境に関わらず、ネットワーク自動化を加速するためのコードを提供しています。開発者は、これまで利用したことのない接続やマーケットプレイス、地域、クラウドアクセスを即座に活用して、新たなトレンドとなるテクノロジーをテストして展開できるようになります。

ソフトウェア実行のスピードでネットワークを展開

企業は、ネットワーク自動化により、仮想ネットワークを必要な場所に予測可能なコストで迅速に展開できます。また、ハードウェアの輸入が困難な地域でも事業を簡単に拡大し、地理的なリーチを広げて、成長市場で商機をつかむことが可能になります。

Network Edgeのデータシートをダウンロードするか、Network Edgeを無料で試して、ネットワークの自動化がデジタルトランスフォーメーションと成長をいかに加速するかをご確認ください。

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Thomas Lee Senior Product Manager, Network Edge Services
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