エクイニクスとIBM、Direct Link(2.0)の統合により次のステップへ

Equinix Fabric™介して、オンプレミスインフラストラクチャとIBM Cloudリソースのシームレスな接続を両社で実現

David McCullough
エクイニクスとIBM、Direct Link(2.0)の統合により次のステップへ

エクイニクスとIBMはこれまで長年にわたり、共通のお客様のためにIBMハイブリッドクラウドとマルチクラウドのユースケースを共同でサポートしてきました。ハイブリッドアーキテクチャへの移行は、デジタルトランスフォーメーションの重点領域の一つであり、エクイニクスの世界各地のお客様の間では、かなり以前から盛んに行われるようになってきています。『エクイニクス テクノロジートレンドに関するグローバル調査(GTTS)(2020~21年度)』によると、世界の回答者の46%がハイブリッドクラウドの導入を完了し、28%がマルチクラウドの導入を完了しており、前年度のGTTS調査からそれぞれ12%と11%の増加となっています。

IBM Cloud Direct Link(2.0)は、IBM Cloudによってリリースされて以来、Equinix Fabric™で常にサポートされてきました。この度、両社は、業界をリードするクラウド接続ソリューションとして、完全にAPI統合されたオーダー操作をエクイニクスとIBM Cloudのお客様が行えるようにするという次の一歩を踏み出そうとしています。

この統合により、お客様がIBM Cloud環境に接続する際のオーダー処理が高度に自動化され、オーダーを簡単に行えるようになります。Equinix Fabric™は、IBMクラウドへの低レイテンシで大容量、かつソフトウェア定義のインターコネクション(相互接続)を提供して、サービスプロバイダとコンテンツプロバイダからなるグローバルなエコシステムへの直接かつセキュアなプライベートアクセスを可能にします。

IBM Cloud Direct Link 2.0との接続

Equinix Fabric™は、企業や組織がクラウドサービスを有効に活用できるよう、世界中のさまざまなクラウドサービスプロバイダへの安全で直接的かつ柔軟なネットワーク接続を提供しています。

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Equinix FabricとIBM Cloud Direct Link (2.0)の統合は、IBMとエクイニクスの複数のサービスを統合した包括的なクラウドネットワーキングトポロジを求めるお客様にとって重要な要素です。これらのサービスには、Red Hat OpenShiftコンテナプラットフォーム、IBM Cloud Satellite、 Equinix Metal™Network Edgeなどがあります。これらのサービスがどのように連携して、インフラストラクチャと相互接続のプログラム的な展開を可能にする一貫したソリューションになっているかについては、Equinix PlatformとIBM Cloud Satelliteを紹介したブログを参照してください

Platform Equinix®上のIBM Direct Link2.0)がIBM Cloudとの直接統合を強化

Equinix Fabric™を介したIBM Cloud Direct Link(2.0)のスピードと信頼性により、パブリックインターネットをバイパスする安定した高スループット接続でオンプレミスのネットワークを拡張できます。 IBM Cloud Direct Link(2.0)は、3地域にまたがる17のEquinix Internet Business Exchange™(IBX®)データセンター拠点で利用できます。企業や組織は、ネイティブのIBM Cloud Direct Linkが存在しない都市圏も含め、世界中のあらゆるEquinix Fabric™拠点からIBM Cloudに迅速かつプライベートに接続することもできます。Equinix Fabric™は現在、世界中の50を超える都市圏で利用可能です。

Platform Equinix®上のIBM Direct Linkには、次のようなメリットがあります。

  • オンプレミスのデータセンターとIBM Cloud環境間のプライベート接続
  • Cloud Pak、仮想プライベートクラウド(VPC)、ベアメタルコンピューティング、クラウドストレージなどのIBM Cloudサービスへの低レイテンシで信頼性の高いアクセス
  • 安定性、高可用性、セキュリティ
  • IBM Cloudとエクイニクスのそれぞれを従量制課金で利用

Equinix Fabric™とのAPI連携によって、企業はわずか数分でEquinix FabricポータルからIBM Cloud Direct Linkをプロビジョニングできます。

Direct Link2.0)とEquinix Fabric™を介したPlatform Equinix®IBM Cloud環境の統合

Direct Link(2.0)は、従来のサービスとしてのインフラストラクチャ(IaaS)とVPCの両方に接続できます。一方、従来のIBM Cloud Direct Link 1.0は常にIaaSネットワークに接続するため、グローバルな仮想ルーティングおよびフォワーディング(VRF)機能をお客様のアカウントで最初に有効にしておくことが必要です。

Direct Link(2.0)を介したPlatform Equinix®との新たな統合とサポートにより、次のような機能強化が加わります。[i]

  • 完全なセルフサービス型ユーザーエクスペリエンスとしてDirect Link(0)を数分以内にプロビジョニング
  • 同じアカウント内の従来のDirect Linkからのアクセスの有無にかかわらず、複数のVPCをサポート
  • VPCによるBYOIP(Bring Your Own IP、ユーザー所有のIPアドレスの持ち込み)アドレスオプションの改善によって、オンプレミス環境とIBM Cloud間のネイティブ接続を実現
  • 単一のDirect LinkからVPC経由で複数のIBM Cloudアカウントへの接続をサポート
  • 料金の支払いに柔軟性をもたらし、IBM Cloudの導入ハードルを下げる従量制課金
  • インベントリ管理やルータの多様な可視性など、Direct Link接続全体のユーザーエクスペリエンス(UX)の向上

Platform Equinix®をご利用のお客様には、IBM Cloud Direct Link(2.0)の両方のバージョン(Direct Link DedicatedとDirect Link Connect)にアクセスできることによって次のメリットがもたらされます。

  • Direct Link Dedicatedは、シングルテナントのファイバーベースのCross Connectであり、IBM Cloudへのプライベートネットワーク接続を可能にします。IBM Cloud PoP(Point of Presence)やデータセターに隣接するコロケーション施設に加え、ユーザーは速度を1、2、5、または10 Gbpsから選択可能です。
  • Direct Link Connectにより、IBM Cloudユーザーは、Equinix Fabric™を介したIBM Cloud拠点への接続を迅速に確立できます。エクイニクスは、マルチテナント型の大容量ネットワーク間インターフェース(NNI)を使用してIBM Cloudネットワークに接続されています。速度は50、100、200、500 Mbps、または1、2、5 Gbpsから選択可能です。

多様な冗長構成やマルチクラウド導入をサポート

Equinix Fabric™経由で接続するPlatform Equinix®上のDirect Link Connect 2.0のデフォルトの導入環境では、冗長構成は必要となりませんが、冗長性を個別のルータにさまざまな方法で展開することが可能です。お客様の多くは、追加のDirect Link接続を設定することによって冗長な導入環境を作成しています。IBMではこのことを踏まえ、計画外のものか、保守目的の計画的なものかにかかわらず、障害や停止を防ぐため、2つ目のダイバースなDirect Linkを確立することを推奨しています。[ii]

IBMはまた、Direct Link Connectの多様で冗長なマルチクラウド導入オプションに関する具体的なガイダンスも提供しています。[iii] Equinix Fabric™は、AWS、Azure、Google Cloudなどの他のクラウドプロバイダとの連携をサポートしています。次の図は、Platform Equinix®でこのタイプの接続を確立する方法の概要を示しています。

Direct Link接続をマルチクラウド環境と組み合わせて使用

Direct Link2.0)の統合により広範なIBMコラボレーションイニシアティブをサポートする

IBMとエクイニクスのコラボレーションは、長年にわたり相互のお客様にさまざまな利益をもたらしてきました。たとえば、エクイニクスのお客様は、多くのIBM Cloudソフトウェアサービスへの安全で信頼性の高い接続をはじめ、グローバルなIBM Cloud環境ならではの多様なリソースや機能にアクセスできます。一方、IBM Cloudのお客様は、Equinix Fabric™ネットワークにアクセスして、グローバルに相互接続されたデータセンター間の低レイテンシ接続を実現できます。また、業界をリードするデータセンターの信頼性、他に類をみないネットワークエコシステム、世界63の都市圏にある220を超えるIBXデータセンターで利用可能なネットワーク、クラウドおよびコンテンツプロバイダのエコシステムというメリットも、エクイニクスから得ることができます。

Equinix Fabric™を使用してDirect Link(2.0)経由でIBM Cloudに接続する方法の詳細については、エクイニクスの製品ドキュメントポータルをご覧ください。

 

 

[i] IBM、クラウド/ブログ/発表、『Introducing IBM Cloud Direct Link 2.0』(2020年9月30日)

[ii] IBM、IBM Cloud資料/Direct Link(2.0)、『Direct Link(2.0)の多様性と冗長性のモデル』(2020年7月7日)

[iii] IBM、IBM Cloud資料/Direct Link(2.0)、『Direct Link Connect(2.0)デプロイメントの代替方法』(2020年7月16日)

 

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David McCullough Principal Product Manager
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