エッジで生成されるデータの量が増える中、大量のデータセットをリモートの集中型ロケーションに移動するのではなく、コスト、レイテンシ、プライバシー上の理由からデータをその生成元で処理するのが賢明です。また、ほとんどのAIアプリケーションは、パブリッククラウドやプライベートデータセンター、データブローカー、エッジのモノのインターネット(IoT)デバイスなどに分散した、複数の外部データソースにアクセスする必要があります。インターコネクション(相互接続)ハブで人工知能(AI)スタックをホストすることにより、パフォーマンスを向上させ、これらの多数のデータソースへの安全なアクセスを実現することは、その意味で理にかなっていると言えます。
AIとデータグラビティは密接に関係しています。データが蓄積されると、追加のAIサービスとアプリケーションがこのデータに引き寄せられるため、コンピューティングインフラストラクチャに最適な場所を選択することが非常に重要となります。さらに、コンプライアンス上の理由から、データを生成国で処理しなければならないため、AIスタックを複数の国に設置する必要が生じるケースが多々あります。こうした傾向を背景に、AIモデルのトレーニングと推論を分散して実行する必要性が高まっています。エクイニクスとNVIDIAが、グローバルに分散されたPlatform Equinix®でNVIDIA LaunchPadの「インスタントAIインフラストラクチャ」ソリューションをお客様に提供しているのは、こうした理由によるものです。
人工知能:パブリッククラウドからデバイスエッジまで
真のビジネストランスフォーメーションを可能にする上でのAIの重要性は、ほとんどすべての企業や組織が認識しています。ところが、導入時の複雑さとコストが障壁となり、データからAIベースのインサイトを引き出すことのできる適切なインフラストラクチャを導入できずにいる組織は少なくありません。
ダウンロードはこちらエクイニクスとNVIDIAが分散型AIインフラストラクチャアプリケーションを加速する仕組み
NVIDIA LaunchPadプログラムは、世界中の9つのエクイニクス拠点の高速インフラストラクチャ上で実行されている、最適化されたNVIDIAソフトウェアへのアクセスを提供します。LaunchPadでは、対象となるお客様は、AI開発用のNVIDIA Base Commandクラウドサービスや、AI展開用のNVIDIA Fleet Commandクラウドサービス、VMware vSphere上でエンドツーエンドのAIワークフローを実行するためのNVIDIA AI Enterpriseソフトウェアスイートを使用して、データサイエンスのワークロードやAIワークロードのプロトタイプ作成とテストを行えます。LaunchPadは、(複数のエクイニクス拠点でサービスとしても提供されている)Equinix Metal™で実行されるNVIDIA認定システムと、NVIDIA DGXシステムで構成されており、AIトレーニング、AI推論、データサイエンスのための高速インフラストラクチャを提供します。
ソフトウェア定義の相互接続であるEquinix Fabric™は、これらの分散したトレーニングロケーションと推論ロケーション、およびさまざまな分散データソースの間の安全な高速接続を提供します。NVIDIA LaunchPadとEquinix Fabricは、AIコンピューティング、ネットワーク、ストレージインフラストラクチャを提供することに加えて、分散した拠点間でデータとAIモデルをシームレスに移動するために必要なソフトウェアベースのオーケストレーションサービスも提供します。この包括的なソリューションの詳細は、ブログの記事『エクイニクスとNVIDIA AI LaunchPadがハイブリッドクラウドからエッジまでAIを加速』でご確認いただけます。お客様は、NVIDIA LaunchPadを使用してこれらのソリューションを試した後で、NVIDIAハードウェアを調達し、エクイニクスの拠点にある独自のプライベートケージに展開できます。
NVIDIA AI Enterprise、Base Command、Fleet Commandは、AI開発からAI展開までをカバーするエンドツーエンドの環境に理想的です。
- NVIDIAによって最適化、認定、サポートされるフレームワークとツールによって、主流のNVIDIA認定システムとVMware vSphere環境でのAIアプリケーションの迅速な導入、管理、拡張が可能になります。導入場所は、エクイニクスのデータセンターかオンプレミスかを問いません。
- Base Command – エクイニクスでホストされているNVIDIA DGX SuperPODアーキテクチャに基づく高速AIインフラストラクチャでAI開発ワークロードを実行するための、ビジネスおよびデータサイエンティスト向けクラウドベースソフトウェアです。エンドツーエンドのAI開発ライフサイクルを管理し、ワークロード管理とリソース共有に対応しています。また、直感的なグラフィカルユーザーインターフェースとコマンドラインインターフェースに加え、モニタリングとレポート作成のための統合型ダッシュボードも備えています。
- Fleet Command – 分散エッジインフラストラクチャ全体でAIアプリケーションを安全に展開、管理、拡張するクラウドサービスです。Equinix MetalTMやエクイニクス拠点で展開される、主流の高速NVIDIA認定サーバーで実行されます。
NVIDIA LaunchPADユーザーは、Equinix Fabricネットワークを活用して、分散したAIトレーニングロケーションと推論ロケーションの間でデータとモデルを移動できます。NVIDIA LaunchPadにより、企業はNVIDIAとエクイニクスが提案するAIソリューションの価値を評価した後で、このソリューションを調達してPlatform Equinix®に展開することができます。このソリューションが企業や組織にもたらす価値は次のとおりです。
- 相互接続されたリッチなエコシステム:AIモデルを構築する際に、エクイニクスをインフラストラクチャ拠点としている1万社のエコシステムである企業や組織からのデータを活用できます。
- エッジデバイスとクラウドへの近接性:エクイニクスのデータセンターは、ほとんどのエンドデバイスから往復10ミリ秒以内、ほとんどのクラウドプロバイダから1~2ミリ秒以内の都市圏に戦略的に設置されています。これにより、お客様は多くのユースケースでほぼリアルタイムのモデル推論を実行し、パブリッククラウド内のデータに高速でアクセスできます。
- 仮想ネットワークデバイスへのアクセス:エクイニクスのNetwork Edgeが提供する、主要プロバイダの仮想ネットワークサービス(仮想ファイアウォール、ルータなど)は、分散AIアーキテクチャの一部として迅速に展開できます。組織は追加のハードウェア要件を生じさせることなく、エッジでの仮想ネットワーク機能デバイスの選択、展開、接続を数分で完了できます。
- 自動化かつ相互接続されたBare Metal-as-a-Service:Equinix MetalTMにより、ソフトウェア実行のスピードで物理インフラストラクチャを展開可能です。OPEXモデルを使用すると、企業や組織は世界中の拠点を対象に、強力な相互接続されたベアメタルインフラストラクチャをPlatform Equinix®に数分で展開できます。
- グローバルな相互接続カバレッジ:エクイニクスのデータセンターは27か国の65の都市圏に存在し、高速で安全なネットワークファブリックを介して相互接続されています。組織は、AIスタックを複数の国に展開して規制コンプライアンス要件に対応するにあたり、データセンターとネットワークファブリックのベンダーを一本化することができます。
- 相互接続されたデジタルインフラストラクチャ:ソフトウェア定義の相互接続であるEquinix Fabricは、分散したトレーニングロケーションと推論ロケーション、およびさまざまな分散データソースの安全な高速接続を提供します。
詳細については、エクイニクスとNVIDIAのホワイトペーパー『Artificial Intelligence: From the Public Cloud to the Device Edge』をご確認ください。
11月8日~11日に開催されるNVIDIA GTC 2021でのエクイニクスのセッション「AI Development to Development on Platform Equinix®」にもぜひご参加ください。
Equinix Fabric™およびデジタルインフラストラクチャサービス紹介セミナー
Equinix Fabricとデジタルインフラストラクチャサービス紹介セミナー
ハイブリッドクラウドやマルチクラウドでの主要なクラウド接続を担っているEquinix Fabricは、柔軟性に優れたオンデマンドのグローバルなインターコネクション(相互接続)です。東京や大阪を含めた海外50+拠点でクラウドへの接続を提供しています。
当セミナーでは、ハイブリッドクラウドやマルチクラウド構築のトレンドと、Equinix Fabricやデジタルインフラストラクチャサービス概要、ポータル利用方法、Equinix FabricとNetwork Edgeを活用したマルチクラウド接続デモ、マネージドテクノロジーサービスをご紹介いたします。