デジタルトランスフォーメーションをめぐって企業や組織が直面している課題は明らかです。つまり、変化に迅速に適応できなければ取り残されるという問題です。『グローバルインターコネクションインデックス(GXI)Vol. 5』によると、「経済的な状態を維持するには、2023年までに新しいデジタルビジネスモデルを構築する必要がある」と回答したリーダーの割合は64%です。
ただし、デジタルトランスフォーメーションの必要性を認識するだけでは不十分です。組織に必要なのは、トランスフォーメーション戦略の実行を支援するよう最適化されたデジタルインフラストラクチャであり、この最適化において重要な役割を果たすのがEquinix Fabric™です。こうした中、ますます多くの企業やサービスプロバイダが、デジタルインフラストラクチャとサービスをソフトウェア実行のスピードでオンデマンド接続するために、Platform Equinix®上のEquinix Fabric™を使用するようになっています。ところが、これらの既存のお客様でさえも、デジタルインフラストラクチャのニーズをサポートするためにEquinix Fabric™ができることをすべて十分に認識しているとは限りません。
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購読はこちらそこでエクイニクスは、Equinix Fabric™のお客様がまだ認識していない可能性のあるユースケースや技術的な機能について詳しく説明する、ConNext 2021バーチャルイベントを開催しました。400人以上の参加者は、エクイニクスのグローバルソリューションアーキテクト、テクニカルアカウントマネージャ、およびプロダクトマネジメントチームによって提示された6つのユースケースを確認しました。活気あふれるこのイベントでは、同業者やエクイニクスの技術専門家と直接交流する機会も設けられました。
ユースケース1:デジタルアクセラレーションのための設計と導入
新型コロナウイルス感染症のパンデミックによって、デジタルトランスフォーメーションをめぐる状況は一変しました。かつてデジタルトランスフォーメーションを数年計画で達成しようとしていた企業は、予想外の新たな課題を克服するため、このタイムラインを1年未満に短縮する必要に迫られたのです。言い換えれば、デジタルトランスフォーメーションからデジタルアクセラレーションへの切り替えです。
Equinix Fabric™のソフトウェア定義のインターコネクション(相互接続)によって、IT組織はソフトウェア実行のスピードで主要なパブリッククラウドプロバイダと接続し、極めて低いレイテンシでSaaS製品を統合できます。また、コストのかかる複雑なハードウェア投資ではなく、主要ベンダーの仮想ネットワーク機能(VNF)デバイスを介したNetwork Edgeサービスを利用して新しいリージョンに迅速に拡大することによって、デジタルアクセラレーションを推進できます。
Network Edgeサービスを利用した新しいリージョンへの拡大
ユースケース2:データセンターの相互接続
デジタル環境の変化を背景に、多くの企業や組織は、新しいサービスの注文が履行されるまで数日待たなければならないのではなく、オーダーを入れてから数分でサービスを開始できる、クラウドのような使い勝手の良さをネットワークプロバイダに対して期待するようになっています。
Equinix Fabric™は、複数の都市圏で自社のアセットを接続する必要のあるお客様にも、事業を展開していない都市圏でクラウドサービスプロバイダに接続する必要のあるお客様にも、このような柔軟性と俊敏性をもたらします。データセンターの相互接続には、イーサネット仮想プライベート回線(EVPL)と新しいイーサネットプライベート回線(EPL)の2つのオプションがあります。この相互接続により、メディアアクセス制御セキュリティ(MACsec)を介した暗号化をサポートできます。
ユースケース3:Terraformを使用した繰り返し展開可能なインフラストラクチャの構築
お客様はEquinix Fabric™で成功を収め始めると、インフラストラクチャを繰り返し展開することで、その成功を拡大したいと考えることがよくあります。Terraformなどのコードとしてのインフラストラクチャオプションにより、繰り返し可能なワークフローをすばやく簡単に標準化し、世界中のEquinix International Business Exchange™(IBX®)データセンターで高速かつ信頼性の高い方法で複製することが可能です。
Terraformは特定のクラウドに依存しないソリューションであり、お客様はベンダーロックインを回避するとともに、複数のクラウドプロバイダを利用している場合でも同じ予測可能な結果を得ることができます。TerraformをEquinix Fabric™とともに使用するには、コードとしてのインフラストラクチャ(IaC)を記述し、実行プランをチェックして構成が期待どおりであることを確認してから、すべてのクラウドプロバイダ間で変更を適用して構成の望ましい状態を実現します。
ユースケース4:高可用性ソリューションの設計
デジタルエッジの重要性が増すにつれて、かつてデジタルコアに組み込まれていたものと同じ高可用性機能の多くをエッジにも構築することが必要となっています。これを行うために必要な新しいアプローチとして、Equinix Fabric™の単一の物理ポートを介した仮想接続を使用して、複数のネットワークパートナーとクラウドパートナーや、それらのパートナーが提供するサービスに接続できます。
また、Equinix Fabric™はデュアル物理ポートを搭載し、各都市圏にプライマリスイッチとセカンダリスイッチを持つように設置されています。つまり、Equinix Fabric™には冗長性がデフォルトで組み込まれています。お客様はこの基盤から始めて、プライマリプレーンとセカンダリプレーンを両方向に拡張し、データの入力と出力に冗長性を確保することで、高可用性環境を構築できます。
冗長プレーンを備えたハイブリッドクラウド環境
ユースケース5:マルチリージョンクラウドネットワークの構築
典型的なマルチリージョンネットワークは、少なくとも2つのリージョンにハブを持ち、Equinix Fabric™を介してパブリッククラウドプロバイダに接続されており、各リージョンが共通のキャリアネットワークを共有します。ただし、このセットアップには、リージョン間でエンタープライズクラスの高可用性ネットワークをサポートするために必要なレベルの接続がありません。
リージョンハブとEquinix Fabric™ポートの間に冗長接続を作成して、Equinix Fabric™ポートを相互接続し、VPCピアリングを使用して2つのクラウド環境を接続します。こうすることで、リージョンの境界を守るように構成されたマルチリージョンクラウドゲートウェイを構築し、ネットワーク全体のレイテンシを低く抑えて、クラウド戦略の将来の変更を柔軟にサポートすることが可能になります。
マルチリージョンエンタープライズクラウドネットワーク
ユースケース6:APIでリーチを拡大
APIは、拡張性、効率性、ユーザーエクスペリエンスに関連した新たなビジネスチャンスを複数の業界にもたらしており、デジタルインフラストラクチャ部門も例外ではありません。Equinix Fabric™ APIによって、お客様は次のことを迅速かつ簡単に行うことができます。
- ネットワークをモニタリングして、ポートと接続の健全性や容量を把握する
- ネットワーク管理ツールと統合して、ポートや接続の作成および使用停止を必要に応じて行う
- トラフィックの急増に対処する仮想接続の作成など、ネットワークの最適化を自動化する
Equinix Fabric™のユースケースをさらに詳しく
ここで要約したソフトウェア定義の相互接続を実現するEquinix Fabric™のユースケースの詳細と、エコシステムに新しく加わったサービスプロバイダについては、Equinix Fabric™エコシステムの最新情報を購読してください。
この記事の関連動画
ConNext 2021で行われたユースケースセッションのオンデマンド再生については、次の再生リストをご覧ください。
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ハイブリッドクラウドやマルチクラウドでの主要なクラウド接続を担っているEquinix Fabricは、柔軟性に優れたオンデマンドのグローバルなインターコネクション(相互接続)です。東京や大阪を含めた海外50+拠点でクラウドへの接続を提供しています。
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