これまで企業や組織は、ITインフラストラクチャをグローバルなリテールコロケーションプロバイダに移動することでITオーバーヘッドの削減を試みても、予想をはるかに上回る複雑さに直面するだけでした。当初約束された、高速で簡単かつ再現性のあるプロセスは実現せず、雪だるま式に無数に増える電源、冷却、物理的フォームファクタの各要件を考慮に入れて、適切な構成を選択しなければならないのです。また、リフトアンドシフトをサポートする適切な構成を選択できたとしても、将来への対応はどうでしょうか。このロケーションに機器をさらに統合することは可能でしょうか。新しい導入環境はワークロードの増加に合わせて拡張できるでしょうか。
Platform Equinix®におけるグローバルビジネスの相互接続のための物理的ゲートウェイ
Equinix International Business Exchange™(IBX®)データセンター内に設置されたEquinix Secure Cabinetは、世界的に相互接続されたビジネスエコシステムへのアクセスポイントであり、エクイニクスのグローバルコロケーションプラットフォームであるPlatform Equinix®への物理的な入り口です。
ダウンロードはこちらリテールコロケーションに移行する際に考慮すべき3つのこと
企業や組織のニーズはそれぞれ異なりますが、リテールコロケーションスペースに移動する際は、デジタルインフラストラクチャの導入を簡素化および迅速化するために考慮すべき重要な要素が3つあります。
- 電力キャパシティ(現在および将来)
デジタルインフラストラクチャの計画と導入に際しての最大の決定要因は、現在と将来の両方の利用可能なニーズを満たす電力キャパシティを確保することです。
次の条件に当てはまる、電力キャパシティが実証および保証されたソリューションを選択すべきです。
- 確実に実行可能なデジタルインフラストラクチャ計画にする。
- 保証された範囲内で設計の見直しや移動/変更を必要とせずに、新しい需要を満たすためのワークロードを追加できる。
- ジレンマを解消する。つまり、進化するインフラストラクチャ設計をサポートするためにキャパシティの制限に則して設計することも、キャパシティを有料で追加することもできる。
- フォームファクタの標準化
リテールコロケーションプロバイダを検討する際のシンプルだが重要な概念は、キャビネットのフォームファクタと拡張性です。多くのITインフラストラクチャメーカーは、従来のエンクロージャには収容できないような、大量のコンピューティングパワーの搭載が可能な大型機器向けフォームファクタを構築しています。そのため、キャビネットの設置面積を大きめに予測することは、将来を見据えたインフラストラクチャを設計するうえで重要な考慮事項となります。リテール施設の物理的寸法の制約を受け、冷却上の理由や機器に適切なスペースを空けて設置する必要のあるキャビネットの設計は、もはや通用しません。
- 引き渡し後すぐに利用可能な状態
引き渡し後すぐに利用可能な状態とは、セキュリティ、品質、および管理を犠牲にすることなく、決定、設計、構築のサイクルをクリティカルパスから排除できる状態を指します。電源やインターコネクション(相互接続)のプロビジョニングを含んだ、先見性のある一貫した設計を活用することで、インフラストラクチャの導入と迅速な本番再稼働にチームを迅速に専念させることができます。
Equinix Secure Cabinet Express:セキュリティと安定したパフォーマンスによりデジタルインフラストラクチャの迅速で簡単な導入を実現
エクイニクスが相互接続対応のコロケーションオプションとしてリリースしたEquinix Secure Cabinet Expressは、最新のIT導入要件の大部分を満たすよう設計されています。最小奥行きが1,200 mmのエクイニクス所有キャビネットは、従来の機器と新しい機器の両方のサイズに対応します。各導入環境には、インフラストラクチャの稼働時間が最大になるように構成された冗長電源回路が含まれています。Expressのどの導入環境も、最低5 kVAの電力容量が保証されており、サイトのロケーションによっては7 kVA以上が標準となります。
各Equinix Secure Cabinetは、直接相互接続用にプロビジョニングされており、パートナーとプロバイダの広範なPlatform Equinix®エコシステムへのセキュアな接続の入り口として機能します。セキュアなファイバーパッチパネルは、接続のプロビジョニング方法を完全にコントロールするための専用のデマケーションポイントとなります。Equinix Cross ConnectsやEquinix Fabric™、Equinix Connect、Equinix Internet Exchange®などの相互接続サービスを介した他のお客様との低レイテンシのプライベート接続によって、5大陸27か国の65の都市圏に広がる237のInternational Business Exchange™(IBX®)施設を利用して、Platform Equinix全体で提供されている幅広いパートナーやサービスへの高速で信頼性の高いアクセスが実現します。
Equinix Secure Cabinet Expressのユースケース
Equinix Secure Cabinet Expressは、地域のコロケーションとプライベート相互接続を活用する現場のチームが直面する一般的な課題をどのように予測し、それに対応しているでしょうか。以下に示す注目すべきお客様事例でご確認ください。
ユースケース1:利用可能で拡張可能なキャパシティ
欧州・中東・アフリカ地域の新規のお客様は、大きな電源容量を備えたコロケーションスペースに従来のインフラストラクチャを移行する必要がありましたが、スペース、冷却、電力等の追加のニーズがSecure Cabinet Expressのフォームファクタの想定範囲内であったため、新しいIBXロケーションに直接移行することに成功しました。
ユースケース2:一貫して信頼性の高い標準化
ある米国のお客様は、追加のITインフラストラクチャ導入拠点を必要としていましたが、いつ社内でゴーサインが出るかわかりませんでした。いざ承認が得られたとき、お客様は迅速に取り掛からなければなりませんでしたが、電力、スペース、相互接続を適切に配備する準備のできたExpressを導入したおかげで、設計サイクルや、長いリードタイムが必要な構築作業を排除して、すぐに対応できました。
ユースケース3:スペース、冷却、相互接続の準備
欧州・中東・アフリカ地域の別のお客様は、1週間以内にデジタルインフラストラクチャソリューションを準備するという厳しい時間的制約下にありましたが、標準的なSecure Cabinet Expressソリューションでスペース、電力、および冷却の各要件を満たせることを特定しました。Expressは相互接続がすぐに利用できる状態になっているため、お客様は1週間という期限内にインフラストラクチャを稼働させ、必要なすべてのサービスにエクイニクスIBXデータセンターから接続できるようになりました。
これらのユースケースでは、Equinix Secure Cabinet Expressの導入環境が相互接続用に事前構成されているため、インターネットアクセスやEquinix Fabric™などの他のサービスへのセキュアな直接接続がすぐに利用できるようになりました。Secure Cabinet Expressは標準的なフォームファクタを採用しているため、お客様はインフラストラクチャの導入を1回設計するだけで、同じソリューションを必要に応じて他のEquinix IBXサイトにもシームレスに複製できます。また、デジタルインフラストラクチャを簡単かつ迅速に導入できるため、移行中のダウンタイムのリスクを軽減し、フル稼働状態に迅速に移行できます。
広く推奨されるキャビネット導入構成を中心に標準化を行うことで、お客様は、現在だけでなく将来のデジタルインフラストラクチャの導入にも対応できる、即時のグローバルポータビリティ、低レイテンシの相互接続、エコシステムへのアクセス、コロケーションサービスというメリットを享受できます。
詳しくはSecure Cabinetの電子書籍またはデータシートをご覧ください。
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ハイブリッドクラウドやマルチクラウドでの主要なクラウド接続を担っているEquinix Fabricは、柔軟性に優れたオンデマンドのグローバルなインターコネクション(相互接続)です。東京や大阪を含めた海外50+拠点でクラウドへの接続を提供しています。
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