分散型AIインフラストラクチャとアプリケーションを導入するための3つのユースケース

エクイニクスとNVIDIAは、企業や組織がAIを次のレベルに引き上げるのをどのように支援しているか

Doron Hendel
分散型AIインフラストラクチャとアプリケーションを導入するための3つのユースケース

人工知能(AI)に関する前回のブログ『エクイニクスが分散型AIインフラストラクチャアプリケーションをNVIDIAで高速化』では、さまざまな業界のトレンドとして、エッジのデータソースにより近い場所でAIスタックがホストされるようになっていることについて説明しました。また、AIデータの処理と分析をその生成国内で行うことを義務付けるコンプライアンス規制も、複数の国にAIスタックを設置してインターコネクション(相互接続)すべきもう一つの理由となっています。

この記事では、このモデルに沿った3つのユースケースについて説明します。企業が Platform Equinix®上でのNVIDIA AIを活用して、開発から導入までのAIソリューションを実装している3つの使用事例を紹介します。

 

 

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分散型AIの開発と配備:すべてのパズルピースを組み合わせる

IDCのこのホワイトペーパーでは、エッジとコアにおけるAIトレンドに加え、コンピューティング、ストレージ、AIインフラストラクチャのソフトウェアスタックの各側面について解説しています。

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Platform EquinixでのNVIDIA AIの活用

最近公開されたIDCのホワイトペーパー『分散型AIの開発と配備:すべてのパズルピースを組み合わせる』(日本語語)によると、「コア(クラウドまたはデータセンター)でAIを開発して、エッジまたはコロケーションセンターでAIモデルを展開して改良を加え、コアで再トレーニングを行う展開シナリオが急成長を遂げています」。[1] IDCはさらに、多くのコロケーションベンダーが完全な「サービスとしてのAIインフラストラクチャ」(AI IaaS)をエッジで提供していることも指摘しています。このサービスにより、ソースデータを組織のセキュリティドメインからパブリッククラウドに移動する必要がなくなります。さらに、エンタープライズAIアプリケーションは、複数のクラウド、プライベートデータセンター、データブローカー、エッジロケーションにまたがる複数のデータソースから離れた場所で動作するため、相互接続ハブとして機能するコロケーションデータセンターにAIスタックを設置し、これらの複数のデータソースへの安全で高速な低レイテンシ接続を提供することが、ほとんどの企業にとって必要不可欠となっています。

これらの傾向と足並みを揃えるように、Platform Equinixを利用している企業は、コアロケーションとエッジロケーションでNVIDIAテクノロジーを使用し、エンドツーエンドのAIデータアクセスとワークフローを処理、分析、および管理しています。以下の3つのユースケースは、NVIDIA AI Enterprise、NVIDIA DGX Foundry、NVIDIA Fleet Commandの各ソリューションを活用して、Platform EquinixでのAIの管理と展開を簡単かつ安全に行えるようにし、AIインフラストラクチャとアプリケーションを向上させる仕組みを示しています。

ユースケース1 – 小売店

ある大手小売チェーンプロバイダは、店舗内のカメラ映像と在庫管理データをエクイニクス拠点に送信し、そこでAI開発インフラストラクチャであるNVIDIA DGX Foundryを活用して、在庫管理、従業員シフト管理、買い物客の購入傾向予測、広告配置のためのAIモデルを構築しています。その後、このAIモデルを店舗がある場所に移動し、特定の都市圏のエクイニクスデータセンターでNVIDIA Fleet Commandクラウドサービス(Equinix Metal™を利用)を使用して、ほぼリアルタイムのAIモデル推論を実行しています。

エクイニクスの拠点で利用可能なNVIDIA AI Enterpriseソフトウェアは、小売業者が画像分類に使用するAIツールとフレームワーク(TensorFlowなど)を提供しています。この小売業者は、複数のクラウドとデータブローカーに置かれた外部データセットへの高速アクセスを実現するため、エクイニクスのような相互接続ハブのDGXシステム上でNVIDIA Base Commandスタックをホストしたいとも考えていました。そこで、エクイニクスのデータセンターが小売店のエンドデバイスから往復時間(RTT)10ミリ秒(ms)以内の近距離にあることを活用し、さまざまな都市圏のエクイニクス拠点に推論サーバーを配置することで、中央に転送する必要のあるデータの量を減らし、エッジでの推論をリアルタイムで行えるようにしました。

ユースケース2 – ビルのビデオ監視

ある大手不動産管理会社は、さまざまな物件からのビデオ監視映像を分析して、不正な行動を検出したいと考えています。現状は、検出された動きに基づいて多数のアラートが生成されていますが、アラートの処理をAIに行わせることで、アラートに優先順位を付けてその数を減らし、不法侵入、共連れ、立入禁止区域への立ち入りなど、さまざまな不正な行動を特定できるようにする予定です。そのためには、中央に置かれたNVIDIA Base Commandプラットフォームを使用してAIモデルを一元的にトレーニングし、異常な行動を検出できるようにした後、データの生成元の近くにあるエッジロケーションにAIモデルを移動して、Fleet Command(Equinix Metalを利用)によるAIモデル推論を可能にする必要があります。

同社は、複数の都市圏で多くの物件を管理し、物件ごとに数百台のカメラを設置しています。そのため、各物件でモーション検出処理を実行するだけでなく、AI推論スタックを都市圏内の単一のロケーションに配置することで、物件ごとにAIスタックをホストするコストの削減も図りたいと考えています。また、中央に転送されるデータの量を減らせるよう、同じ都市圏内のエッジの近くでモデル推論を実行することや、プライバシーとコンプライアンス上の理由から、データの処理をデータの生成国で行うことも目指しています。

コア(クラウドまたはデータセンター)でAIを開発して、エッジまたはコロケーションセンターでAIモデルを展開して改良を加え、コアで再トレーニングを行う展開シナリオが急成長を遂げています。 - IDC

ユースケース3 – 自動車先進運転支援システム(ADAS)の開発

ある自動運転車メーカーのADAS開発チームは、コネクテッドカーのモデル開発に使用するAIインフラストラクチャを必要としていました。テスト車両によって生成されるデータの量は非常に多く、1日1車両あたり20TB~80TBです(ADAS L2およびADAS L3)。都市圏ごとに一定数の自動運転車によってこのように大規模なデータセットが生成されるため、それを中央の場所に移動するには、多大なコストと時間がかかります。

そこでAIモデルの開発には、DGX Foundry経由で、特定の都市圏のエクイニクスデータセンターでホストされているNVIDIA Base Commandと組み合わせて、NVIDIA DGXベースのトレーニングクラスタを使用することにしました。また、DGX Foundryで構築されたAIモデルをテストするため、特定の都市圏のエクイニクスデータセンターへのハードウェアインザループテスト機器の設置も行いました。このプロセスを繰り返すことで、モデルの精度が継続的に向上させています。

エクイニクスとNVIDIAのテクノロジーを活用したエンドツーエンドのAIインフラストラクチャおよびアプリケーションの展開の詳細については、IDCのホワイトペーパー『分散型AIの開発と配備:すべてのパズルピースを組み合わせる』をご確認ください。

 

[1] IDCのホワイトペーパー、『分散型AIの開発と配備:すべてのパズルピースを組み合わせる』(日本語翻訳)、文書番号US48458321、Core Scientific/エクイニクス/NetApp/NVIDIA協賛、2021年12月

 

 

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都市圏ごとに一定数の自動運転車によってこのように大規模なデータセットが生成されるため、それを中央の場所に移動するには、多大なコストと時間がかかります。
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Doron Hendel Global Business Development