AI/MLは過大評価されているのか?それとも十分に活用されていないのか?

人工知能と機械学習が人間の生活の質と生産性をどのように改善できるかという謎を解き明かすと、人間を置き換えるものではなく、人間の生活の質と生産性を向上させるものとして、これらのテクノロジーを活用できるようになります

Ravi Pasula
AI/MLは過大評価されているのか?それとも十分に活用されていないのか?

最近開催されたオフサイトでのバーチャルリーダーシップイベントでは、人工知能と機械学習(AI/ML)が乱用されているかどうかについてのディスカッションがあり、「乱用されている」という意見が圧倒的多数でした。私は参加者のこの反応を見て、AI/MLが私たちのデジタルライフにすでにどれほど普及しているかを、私たち自身が理解していないのではないかと考えました。データサイエンスに携わる私は、AI/MLが使われる世界にどっぷりつかっており、AI/MLがさまざまな分野の発展を加速し続けるであろうと確信しています。私と同じデータサイエンティストの中にもAI/MLが乱用されていると考える人がいるかもしれませんが、ESGが行った調査によると、組織はデータから価値を引き出すためのよりスマートで迅速な方法を模索しており、現在45%の組織が専門的なインフラストラクチャを使用してAIプロジェクトを本番稼働し、さらに39%が試験使用/概念実証を行っています。[1]

単純化は、私たちにとって何か新しいものや新しいことを理解するための鍵です。中学3年生のとき私は、標準的な定義に依存しすぎると、新しい概念を理解する能力が制限されるということに気づく経験をしました。数学の家庭教師が私に円の定義を尋ねたとき、私は教科書に載っている定義を答えました。家庭教師はそれに対し、教科書の答えとは異なる方法で考えるよう私に求めたのです。私にとって、数学を解明するまったく新しい道が明らかになった瞬間でした。ここでは、より簡単な用語を使用して、AI/MLの標準的な定義の謎を解き明かすことにしましょう。

 

 

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NVIDIAとエクイニクスがAIを大規模に実現

企業や組織は、ビジネスに大きな変革をもたらすものとして、AIを導入することの重要性を強調し続けています。ESGがこのホワイトペーパーで説明しているとおり、エクイニクスとNvidiaは、緊密に接続されたデジタルインフラストラクチャと最先端のシステムおよびソフトウェアをAIワークロードのライフサイクルに活用することによって、AIを大規模に実現しています。

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AI/MLとは何であり、私たちの日々の生活にどのように浸透しているか

AI/MLとは何かについて考えたときに、最後に行き着くのがパターンと心理学です。AI/MLは、ソフトウェアとデータを使用してパターンを特定し、それらのパターンに基づいて行動するための判断を生み出します。パターンの例としては、ストリーミングコンテンツの視聴者数が最も多くなる曜日や時間帯が挙げられます。心理学は、人間の行動が何によって影響され、どのように変化するかを理解するためにAI/MLソフトウェアで使用されています。たとえば、ボタンに使う色によって、そのボタンがクリックされる頻度は変わるでしょうか。

AI/MLの教科書どおりの定義は次のとおりです。

  • 人工知能は、データ、アルゴリズム、プログラミングを使用および分析することによって、アクションを実行し、問題を予測して、さまざまな状況に適応するために新しいアクションを実行する方法を学ぶ科学です。
  • 機械学習とは、コンピューターや機械がデータから学習し、判断を行えるようになることであり、AIを実現するためのアプローチです。

パターンと心理学を念頭に置いて、AI/MLの一般的な用例を簡単に見てみましょう。

  • Zoomは、議事録の自動作成など、さまざまな用途に機械学習を利用しています。参加者は情報を記録する作業に気をとられることなく、会議に集中して参加できるようになります。
  • Netflixは、視聴者の習慣や好みを分析した結果に基づいて、視聴者が視聴する可能性のある他の映画を予測するためにAIを利用しています。映画を宣伝するときに表示するタイトル画像や写真は、視聴者の好みを反映してカスタマイズされます。
  • TikTokは、特定の視聴者を引き付ける可能性が最も高いコンテンツを特定して、それと同様の動画を配信したり、好みが似ている視聴者から高評価を得ている動画を配信したりする目的でアルゴリズムを使用しています。

今日のユースケースはAI/MLの可能性のほんの一部しか引き出していない

AI/MLとは何かについて考えたときに、最後に行き着くのがパターンと心理学です。

AI/MLについては、これまでにさまざまな成果が達成されてきましたが、その可能性の扉はまだ開かれたばかりです。たとえば、ロボット工学は近年大きく注目されている一方で、その使用対象は医療、物流、製造などの特定の業界に集中しています。毎日の生活の中で人々の生産性を高め、身の回りを支援する可能性についてはどうでしょうか。買い足す必要のある食料品を教えてくれる冷蔵庫があることは確かですが、もっと実用的な支援はできないでしょうか。また、レコメンデーションエンジンで使用されているショッピングアルゴリズムも、まだ微調整が必要な状態です。

医療分野におけるAI/MLは、X線や診断などで進歩を遂げていますが、やるべきことはまだまだ山ほどあります。放射線医学では、AIによって医療診断の精度とスピードを向上させ、X線診断を行う医師と放射線技師を支援できます。製薬会社が研究開発の取り組みにAI/MLを使用して、病気の根本原因を発見し、化学療法などの苦痛を伴う治療に代わる最先端の医薬品を開発できたとしたらどうでしょうか。企業や組織がAI/MLですでに達成していることの例をいくつか見てみましょう。

企業や組織はAI/MLの課題をどのように解決しているか

Deep Mindsの医療研究者は、AIシステムを使用して、ほぼ50年取り組んできたタンパク質関連の課題を解決しました。ディープラーニングシステムであるAlphaFoldを使用することで、原子1個のサイズにおさまるタンパク質構造を、数か月または数年以内ではなく、数日以内に正確に予測できるようになりました。また、このタンパク質の働きと仕組みもAlphaFoldによって解明される見込みです。[2]

OpenAIは、人間レベルの知能の実現を目指す、汎用人工知能(AGI)と呼ばれるAIの一形態を開発しています。OpenAIは、許容できるレベルの文章の生成といった有望な成果を達成していますが、最新リリースであるGPT-3のパラメータ数は1,750億個であり、100兆個のパラメータ(つまりシナプス)を持つ人間の脳のわずか1,000分の1です。今後数年間での実現は予想されていませんが、GPT-4はGPT-3の500倍になり、人間の脳に匹敵する約100兆個のパラメータを持つようになると見込まれています。[3]

ロボット工学のためのAI/MLの進歩は、人間を置き換えるのではなく、人間を増強するためのより高度な機能の発展を後押ししています。センサーの機能強化、AIの柔軟性の向上、音声認識および分析技術の向上により、人間とロボットの共生や分業が実現すると期待されています。ロボットは定型化された作業を実行し、人々がより重要なことにより多くの時間をかけられるようにします。コンパニオンロボットは、在宅支援が必要な人のために、いずれは身だしなみや家事などのサービスも提供するようになります。先細りしている肉体労働者人口の問題に対処するため、より多くのロボット機能を開発することも重点領域の一つとなります。

エクイニクス全体におけるAI/MLの応用

エクイニクスの最高情報責任者であるMilind Wagleは、会社全体のさまざまな業務でAI/MLを利用することで、生産性を向上させ、データに基づく意思決定を実現できることを早い段階で認識しました。計画担当者はAIを使用して、Equinix International Business Exchange™(IBX®)データセンターの電力とスペースのキャパシティを予測し、特定のメガワットしきい値に対するお客様の要件が満たされていることを確認しています。財務業務では、アルゴリズムを使用してワークフローを自動化することにより、取引の約3分の2の手動承認を不要にしました。マーケティングチームはAIツールを使用して、約100種類の入力を分析し、新規顧客を特定して獲得するためのモデルを構築しています。さらに、自然言語処理(NLP)がインテリジェントなチケットルーティングに役立てられています。これらは、AI/MLが現在エクイニクスの業務にどのように応用されているかを示すほんの一例にすぎず、今後さらに増える予定です。

AI/MLのリスクを確認する

利益のために使われるものがすべてそうであるように、AI/MLには、人類を負の側面から保護するためにその力を制限するガードレールが必要です。AI/MLを無秩序に使用すると、次のリスクが生じる可能性があります。

  • 過剰な量の情報を取り入れることによる決断疲れ。
  • プライバシーの懸念と、継続的な通知の混乱からくる労働者の生産性低下。
  • 古いデータまたは評価基準を使用することから生じる意図しないバイアス。
  • 危害を加えるためにモデルの動作に影響を及ぼす悪意。

これらのリスクから人々を保護するには、AI/MLをビジネスと日常生活でどのように使用すべきかについてのガバナンスと規制が必要です。今後は、ブロックチェーン対応のAIマーケットプレイスが重要なデータソースになり、これによって企業や組織はデータリネージによりAIモデルを追跡できるようになります。

デジタルインフラストラクチャがAI/MLの発展を加速

AI/MLソフトウェアを実行するには、データが生成されている場所の近くに、大量の計算能力とデータを配置する必要があります。自動運転車を例にとってみましょう。自動運転車との間のデータの送受信については、必要な反応時間を確保して衝突を回避するために、低レイテンシであることが不可欠です。強力なハードウェアは、Equinix IBXデータセンターなどのコロケーション施設にエクイニクスまたはパートナー各社から直接すばやくプロビジョニングできます。

Platform Equinix®にデジタルインフラストラクチャを導入し、Equinix Fabric™を使用してソフトウェア定義のインターコネクション(相互接続)を確立することで、お客様はAI/MLアプリケーションをエッジで実行し、クラウドオンランプを介して複数のクラウドとの間でデータをシームレスに送受信できるようになります。Automated Bare Metal as a Service(サービスとしての自動化されたベアメタル)を使用すると、240拠点あるIBXデータセンターの1つから、Equinix Metal™が稼働している18のグローバルロケーションのいずれかにデジタルインフラストラクチャを簡単にレプリケートして、エッジ展開を実現できます。

ハードウェア、ストレージ、データ管理、セキュリティの各プロバイダを含むAIソリューションプロバイダのエコシステムは発展を続けています。お客様はこのエコシステムを利用することで、NVIDIA AI LaunchpadなどのAI as a Service(サービスとしてのAI)ソリューションにエクイニクスの拠点で簡単にアクセスできます。

分散型AIインフラストラクチャとアプリケーションを導入することで、エンドユーザーの場所にかかわらず、AI/ML機能をリリースしてエンドユーザーに提供するために必要な分散型インフラストラクチャを簡単に強化できるようになります。

詳細については、Platform Equinix®のビジョンペーパーをご確認ください。

 

 

[1] NVIDIAとエクイニクスによるESGホワイトペーパー、『Enable AI at scale with Nvidia and Equinix』、Mike Leone(ESGシニアアナリスト)著、2022年1月

[2] Techstory、『DeepMind’s AI Solved a 50-year-old Protein-Related Challenge』、Chaavideep Singh著、2021年10月31日

[3] Towards Data Science、『GPT-4 Will Have 100 Trillion Parameters — 500x the Size of GPT-3』、Alberto Romero著、2021年9月11日

 

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AI/MLについては、これまでにさまざまな成果が達成されてきましたが、その可能性の扉はまだ開かれたばかりです。
Ravi Pasula
Ravi Pasula Director, Data Science