インターコネクション(相互接続)の実現—エコシステムは、今やインフラストラクチャ

GXI 2023が、サービスプロバイダや業界パートナーのエコシステムとインフラストラクチャの関係性を明らかにしています

Steve Madden
インターコネクション(相互接続)の実現—エコシステムは、今やインフラストラクチャ

サプライチェーンの制約や地政学的または経済的に不安定な情勢に関するニュースが紙面を賑わせ、先行きには不透明感が漂っています。こうした状況は当面続くと思われるため、多くの企業にとって将来に向けた準備を行うことが今最も重要な課題となっています。グローバルでの年次調査である「Equinix 2022 Global Tech Trends Survey」の結果によると、デジタルリーダーは将来を見据えた取り組みを優先的に行っています。調査を行った2,900人のデジタルリーダーのうち、76%は新たなデジタルエコシステムに参加することがテクノロジー戦略の最重要課題であると回答しています。

エクイニクスが発表した年次市場調査「グローバル インターコネクション インデックス2023(Global Interconnection Index 2023: GXI 2023)」では、デジタルビジネスでの成功を目指してデジタルトランスフォーメーションを加速する企業における成功体験が明らかにされています。中でも、デジタルリーダーは、そのビジネス規模を拡大する能力を高めるため、インターコネクション(相互接続)されたプラットフォームでパートナーとのエコシステムを活用しているという注目される調査結果が示されています。企業がデジタルインフラストラクチャを利用してエコシステムと相互接続すると、両社は一体化し、シームレスに事業を展開できるようになります。

GXIのデータによると、インターコネクション帯域[i]は今後5年間で、すべての地域と主要都市で年平均成長率(CAGR)[ii]35%を超えるスピードで増加すると予想されていることから、デジタル成長はグローバル規模で進んでいると言えます。エコシステムの高密度化がその成長を促しており、デジタルリーダーによるデジタルインフラストラクチャの導入加速に拍車をかけています。

[i] インターコネクション帯域とは、キャリアニュートラルなコロケーションデータセンターにおいて、2社以上による直接的に接続されたトラフィックのプライベートエクスチェンジに割り当てられた容量を、ビット/秒単位で計算した値です。

[ii] 年平均成長率(CAGR)とは、複数年にわたる成長率から、1年あたりの成長率を幾何平均したものです。GXIでは5年間の年平均成長率を求めています。CAGRは直線的な成長率ではなく、成長幅に加えて各年の成長速度の増加を加味しています。

エコシステムは自社のインフラストラクチャの一部です

パートナーや サプライヤからなる広大なエコシステムを活用し、 デジタル トランスフォーメーションを加速させましょう。

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第6版の年次レポートである今回のGXIレポートでは、業界リサーチの結果をもとに、各企業がインターコネクション帯域と分散インフラストラクチャをどのように活用し、グローバルなデジタルエコノミーを構築、拡張しているのかを予測しています。このベンチマーク調査が対象とするデジタルリーダーの数は、ここ2年間で30%以上増えており、競争優位性を保つためにデジタルファースト戦略を採用している企業が増えていることを示しています。

GXIの主な調査結果やトレンド分析、ベンチマークは、一般企業やサービスプロバイダが以下のことを実施するために活用できます。

  • 各地域におけるデジタルインフラストラクチャの導入とサービス提供の計画。
  • デジタルファースト戦略を達成するために、コアとエコシステムそしてエッジを有機的に接続して、エッジからクラウドまで自動化されたコンサンプションモデルを実現する方法の確認。
  • デジタルファースト戦略を実現する上で鍵となる情報の収集。

GXIでは、企業のエコシステムは今やインフラストラクチャであると最終的に結論付けています。組織はエコシステムを活用して、デジタルファースト戦略によって優位性を築いています。

デジタル化に必要なInterconnection Oriented Architecture®

GXIは、デジタルリーダーがインターコネクション(相互接続)を利用し、いかにしてビジネスを拡大し、デジタルインフラストラクチャとユーザーの距離を縮め、競争優位性を高めているのかを示しています。これらの企業は、Interconnection Oriented Architecture(IOA®)と呼ばれる一貫したパターンを利用し、何年もかけてインターコネクションポイント(二社以上による直接的またはプライベートでトラフィックの交換を行う接続)を中心にデジタルインフラストラクチャを設計してきました。インターコネクションがデジタルエコノミーにおけるバックボーンとなる中、この戦略はビジネス成長に欠かせない要素となっています。

デジタルインフラストラクチャの優位性と、デジタルファースト戦略における役割

GXI 2023は、デジタルリーダーが以下の戦略に従ってデジタルインフラストラクチャを導入し、優位性を獲得していることを示しています。

デジタルコアにおけるインターコネクション—一般企業は、大規模なネットワーク、クラウド、ITサービスとの接続などの機能を世界中のキャリアニュートラルなコロケーション設備であるコアインフラストラクチャに分散させることで、ネットワークアクセスとクラウド隣接の課題を解決しています。そのため、デジタルリーダーが利用している拠点の60%が分散コアとして利用されていることが今回のGXIの調査結果で明らかになりました。

デジタルエコシステムの統合—GXIの調査結果によると、企業は、新たなマーケットプレース上でSaaSを活用し、何千社ものパートナーが提供する業界に特化したサービスを統合することで、業界によっては、平均17〜94社の個別パートナーと相互接続しています。

デジタルエッジでのインターコネクション—ビジネスを展開している場所の近くでエッジを構築することにより、プラットフォームの中でパートナーを活用しながら、安全かつ地域ごとに異なる要件に沿った形で情報を得ることが可能となります。エッジの利用はサービスプロバイダーで50%、エンタープライズでは2倍のペースで成長しています。

すべての企業でコアサービスの利用も拡大していますが、エッジの利用はさらに大きく拡大しており、エンタープライスとサービスプロバイダーの双方でコアインフラストラクチャより20%早くエッジインフラストラクチャが展開されています。GXIでは、どの業界でコアの利用が拡大しているかも明らかにしています。

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GXI 2023で提供されているグローバルでの導入データと市場調査データから、インターコネクション帯域の成長に関する地域別の内訳と、インターコネクションのベンチマークに関する知見が得られます。世界全体と地域別の調査結果の中から、主なデータを以下で紹介します。

現時点ではサービスプロバイダによる導入がエンタープライズを上回る

世界全体のインターコネクション帯域は今後5年間、年平均成長率40%で成長すると予測されています。

  • デジタル化が進んでいるサービスプロバイダは平均17拠点で導入しており、その内、平均8つがコアロケーション、9つがエッジロケーションとなっています。エッジロケーションはデジタルコアに比べ、5倍の速さで成長しています。
  • 一方、一般企業のデジタルリーダーは平均10拠点で導入しており、コアとエッジは6:4の割合となっています。エッジロケーションはコアに比べ、3倍の速さで成長しています。
  • エンタープライズ業界はグローバルで43%のインターコネクション帯域を消費すると予測されていますが、一般企業がパンデミック以前の成長率に戻るにつれて、徐々にサービスプロバイダの成長率を上回りつつあります。

南北アメリカ地域において、エンタープライズによる導入がサービスプロバイダによる導入を上回る見通し

インターコネクション帯域の導入では、南北アメリカ地域が引き続き他の地域をリードしており、2025年末まで年平均成長率39%で成長すると予測されています。

  • エンタープライズセクターの年間導入率が初めてサービスプロバイダを上回ると予測されています。
  • エンタープライズの成長率は、一般企業がデジタルプロバイダに変容しつつあることを示しています。2025年には、インターコネクション帯域の導入率で銀行・保険がネットワークプロバイダを上回り、卸売・小売がコンテンツ・デジタルメディアを上回ります。
  • サービスプロバイダが消費するインターコネクション帯域の割合は全体の56%を占め、ネットワークプロバイダが最大のユーザーであり、最も急成長しています。

南北アメリカ地域のコアロケーションとエッジロケーションの多様性

ネットワーク、クラウド、金融サービスのエコシステムが引き続きインターコネクション帯域の大部分を占めており、帯域の86%がコアロケーション全体に分散されています。

  • ニューヨークが予測されるインターコネクション帯域の35%を占めており、接続先の多くがビジネスパートナーとエコシステムパートナーです。一方、ワシントンC.ではクラウド・ITサービスプロバイダとハイパースケーラーが33%を占めており、接続先の多くがネットワークプロバイダです。
  • コアロケーションとエッジロケーションの成長率は中南米およびメキシコが最も高く、コアメトロ(都市圏)では年平均成長率46%のサンパウロが一番で、シリコンバレー、ダラスがそれに続いています。
  • エッジメトロの中では、ロサンゼルスが南北アメリカ地域で最大であり、メキシコシティが最も急成長しています。また、ハイパースケーラーが引き続きすべてのエッジロケーションで成長しています。

デジタルインフラストラクチャの導入率では欧州・中東・アフリカ地域がトップの予測

欧州・中東・アフリカ地域はグローバルインターコネクションの25%を占め、2025年末まで年平均成長率40%で成長すると予測されています。

  • 欧州・中東・アフリカ地域におけるコアロケーションとエッジロケーション全体のデジタルインフラストラクチャ導入率は、他の地域より20〜30%高く、デジタルファースト戦略を加速させるためにハイブリッド導入に重点が置かれていることを示しています。
  • GXI 2023によると、インフラストラクチャの3分の2がコアロケーション全体に分散されている中でも、成長率はエッジよりもコアの方が若干高く、クラウド隣接ソリューションの需要があることを示しています。
  • 欧州・中東・アフリカ地域では、サービスプロバイダの全セグメントが年平均成長率36%で成長しており、他のどの地域よりも高くなっています。インターコネクション帯域の最大のユーザーは引き続きネットワークプロバイダとなっています。

欧州・中東・アフリカ地域では、海底ケーブルの陸揚局とエッジメトロが成長を牽引する見通し

欧州・中東・アフリカ地域のコアロケーションは年平均成長率40%で成長を続けており、同地域の予測の77%を占めています。エッジロケーションの中ではドバイ、マドリード、バルセロナが最も成長が速く、ネットワークアクセスが主なユースケースとなっています。

  • 上位のエッジロケーションはコアに比べ8〜10%速いペースで容量を拡大しており、バルセロナやマドリードといった海底ケーブルの陸揚げ拠点に隣接する都市圏で最も急速な成長が見られています。陸揚げ拠点に近いということは、一般企業にとってその地域への進出が容易になることを意味します。
  • ビジネスパートナーとの相互接続では、パリとロンドンが最も大きな割合を示し、アムステルダムはハイパースケーラーが大きな成長を示しています。
  • フランクフルトはネットワークの密度が高く、ネットワークプロバイダとネットワークパートナーの選択肢が最も多いため、欧州・中東・アフリカ地域の中で最大規模のエコシステムを誇ります。

アジア太平洋地域ではクラウド・ITとハイパースケーラーが急成長

アジア太平洋地域はグローバルインターコネクションの27%を占め、巨大なパートナーエコシステムを利用してトランスフォーメーションを加速しながら2025年末まで年平均成長率40%で成長すると予測されています。

  • アジア太平洋地域では、クラウド・ITとハイパースケーラーにおけるインターコネクション帯域の拡大スピードが他の地域よりも速く、インフラストラクチャの3分の2がコアロケーションに集まり、他地域よりも大きな人口集中地域と高密度のエコシステムをサポートしています。
  • サービスプロバイダのインフラストラクチャの3分の1はエッジにあり、エッジの成長率は他のすべての地域を上回っています。
  • インターコネクション帯域の年平均成長率が58%と予測されているエネルギー・公共団体と銀行・保険業界は、アジア太平洋地域の中でもグローバルでも最も急速な成長を遂げています。

アジア太平洋地域では、コアとエッジでの導入が加速する見通し

アジア太平洋地域では、コアロケーションが年平均成長率39%のペースで成長しており、同地域の予測の78%を占めています。

  • 極めて大規模で密度の高い人口集中地域を持つことから、アジア太平洋地域の一般企業はサービスプロバイダを最大限活用してデジタルインフラストラクチャ要件を満たしています。そのため、地域別ではインフラストラクチャの平均導入率が最も低くなっています。
  • アジア太平洋地域では、エッジの導入率がデジタルコアより4倍速いペースで加速しています。エッジメトロの中では北京が最大で、インターコネクション帯域は他のエッジロケーションの3倍となっています。
  • コアメトロの中では、年平均成長率44%の上海が最も急速に成長しています。中国進出時のインフラストラクチャ導入拠点として人気の高い上海は、2025年までに801テラビット/秒(Tbps)に達すると予測されています。

デジタルリーダーシップを見据えた設計

デジタルトランスフォーメーションに取り組む組織は、デジタルエコノミーの中でビジネスを展開し、エコシステムに参加できるようインフラストラクチャを設計する必要があります。

デジタルリーダーは、以下に重点を置くことが推奨されます:

  • デジタルインフラストラクチャとして拡張可能なプラットフォームを使用し、柔軟なエッジ戦略を構築する。
  • 従来のビジネスをデジタル化するだけではなく、デジタルビジネスで収益を上げられるよう設計を行う。
  • コロケーションに移行し、サステナビリティ目標を共有するエコシステムパートナーと相互接続することで、サステナビリティを見据えた設計を行う。
  • 集約型のコア機能を活用可能な分散型へ移行する。
  • 強みを見極めてそこに投資し、すべてのサービスに対してエコシステムを活用できるようにする。

GXI 2023には、エコシステムが今やインフラストラクチャである理由について、より詳しく記載されています。GXI 2023の市場調査結果をぜひご覧ください。

 

 

[1] インターコネクション帯域とは、キャリアニュートラルなコロケーションデータセンターにおいて、2社以上による直接的に接続されたトラフィックのプライベートエクスチェンジに割り当てられた容量を、ビット/秒単位で計算した値です。

[2]年平均成長率(CAGR)とは、複数年にわたる成長率から、1年あたりの成長率を幾何平均したものです。GXIでは5年間の年平均成長率を求めています。CAGRは直線的な成長率ではなく、成長幅に加えて各年の成長速度の増加を加味しています。

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Steve Madden Vice President, Equinix Research Group
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