サステナブルなデータセンター設計の4原則

エクイニクスは、よりクリーンで効率的なデータセンターの建設に取り組んでいます

Gary Aitkenhead
サステナブルなデータセンター設計の4原則

現代の経済はデジタルインフラストラクチャの上に成り立っています。今日のデジタルビジネスが今後何年にもわたってサステナブルな事業運営を続けていくためには、このデジタルインフラストラクチャが可能な限りクリーンで効率的でなければなりません。

エクイニクスは、自分たちがお客様のサステナビリティ戦略の重要な一役を担っていることを長年にわたって認識しています。この役割を果たせるよう、事業およびサプライチェーン全体で排出量を削減するという、承認済みの科学的根拠に基づく目標(SBT)[1]に沿って、全世界の事業にて2030年までに気候中立を達成することを、データセンター業界で初めて約束しました。

IDC Technology for Sustainability and Social Impact Index – Equinix Profile

IDCは、クラウドインフラストラクチャおよびデータセンターサービスプロバイダ向けIDC TSSIフレームワークの3つの柱にわたり、150以上のパラメータに基づいてエクイニクスのパフォーマンスを評価しています。

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エクイニクスは、約1年前にSBTを設定して以来、以下に示す4つの主要な柱に沿って、多数のマイルストーンを達成してきました。このブログでは、データセンターをよりクリーンで効率的にするためにエクイニクスが追求しているさまざまなイノベーションの一部を取り上げます。

1. 低炭素エネルギーにより、排出量を増やすことなくデータ量を増やすことが可能となります

エクイニクスは、データセンターのエネルギー効率を高めることを最優先する一方で、エネルギーの使用を避けられるわけではないことを認識しています。そのため、全世界のデータセンターの運用を、100%再生可能エネルギーでカバーすることを目標にしています。この目標を達成すると、当社自身の二酸化炭素排出量を削減できるだけでなく、お客様のデジタルサプライチェーンのグリーン化を貢献することにもつながります。2021年の再生可能エネルギーのカバー率は、これまでで最高の95%でした。

再生可能エネルギーの目標を達成するため、エクイニクスはバーチャル電力購入契約(VPPA)を優先的に結んでいます。VPPAにより、エクイニクスが事業を展開している市場内で大量の再生可能エネルギーを確保でき、グリッドのグリーン化に貢献できます。また、従来の電力購入契約も引き続き結んでおり、フィンランドの風力発電所とのPPAを2022年中に2件締結することを発表しました。これらの契約により、ヘルシンキにあるEquinix IBX®データセンターをカバーするために、少なくとも72 MWのグリーンエネルギーがエクイニクスに供給されるとともに、発電源証明を取得できます。[2],[3] これらの長期契約に基づく当社の総容量は297 MWになります。

エクイニクスはまた、シンガポール国立大学(NUS)エネルギー研究技術センター(CERT)と協力して、プロトン交換膜燃(PEM)燃料電池とフレックス燃料リニア発電機技術の効率を比較する、 世界初の研究プロジェクトにも参加しています。このプロジェクトでは、データセンター(特にシンガポールのような熱帯気候地域のデータセンター)向けの低炭素電源候補として、これらの有望な技術の総合的な評価を行う予定です。

2. 循環性を考慮した設計によって、データセンターの可能性が再定義されています

「資源を採掘して、作って、捨てる」リニアエコノミー(直線型経済)[4]とは対照的に、資源を再利用してリサイクルする循環型経済の考え方は、何十年も前から存在し、さまざまな業界で応用されてきました。こうした中、エクイニクスは、特にデータセンター業界がこの循環性の手法と設計原則に適していると考え、それに応じた取り組みを進めています。

たとえば、データセンターの熱に対する考え方を変えています。廃熱は、リニアエコノミーの観点からとらえると、データセンターの運用から生じる(望ましくありませんが)必要な副産物です。エクイニクスはこの観点を変えて、廃熱を二次製品としてとらえ、それを必要としている組織に再販したり、共有したりできるようにしています。これまでに、世界各地の数拠点で廃熱再分配プロジェクトの展開に成功しています。その一例として、フィンランドのエネルギー会社と提携し、ヘルシンキにあるデータセンターからの廃熱を再分配して、低炭素エネルギーを利用した暖房を何千もの家庭や企業に供給しています[5]。

エクイニクスは、データセンターが消費するよりも多くの水をコミュニティに戻す「ウォーターポジティブ」の達成も目指しています。現在は、より効率的な設計(稼働に水を消費しないオンサイト燃料電池など)と雨水回収および家庭排水リサイクルシステムを通じて、水の使用量を削減することに積極的に取り組んでいます。エクイニクスでは、当社の革新的な技術によって1,180億ガロンの仮想水(データセンター事業等に用いられる水量)の使用を回避し、燃料電池の使用によって年間370億ガロンの節水を実現しています。

地域社会に「コベネフィット」を提供しながら循環性を実践している施策の一例として、パリに新設されたPA10データセンターがあります。このデータセンターは、雨水回収システムに加え、革新的な水耕栽培システムを備えた温室を屋上に備えています。この温室では、雨水を利用して灌漑用水の量を従来の方法よりも抑えながら、地域社会のために果物や野菜を栽培しています。

「未来のデータセンターの実現要素:
1.低炭素エネルギー
2.循環経済
3.ソフトウェアによる最適化と自動化
4.高効率冷却」"

3. ソフトウェアによる最適化と自動化を利用することで、よりスマートな運用が可能になります

データセンターでエネルギーの無駄を削減するための重要な要件の一つは、無駄が生じている場所を正確に把握することです。

エクイニクスは、このサステナビリティ分野のリーダーとして頭角を現しており、ソフトウェアによって最適化されたデータセンターシステムを電力最適化戦略の実現要素として位置付け、導入しています。その一例であるVPSおよびNatron Energyとのパートナーシップにおいて、エクイニクスは、ソフトウェア定義の電力ソリューションとキャビネット取り付け型のバッテリーエネルギー貯蔵システムを組み合わせています。この新しいソリューションによって、電力消費量を管理し、電源断をほぼ0%に抑制でき、データセンター内の電力効率が30~50%向上すると推定されています。

サステナビリティ戦略と同様に、ITの将来を見据えた重要な優先事項として浮上しているのが人工知能と機械学習(AI/ML)です。GTTSでは、ITリーダーの74%が、AIの導入を組織のテクノロジー戦略の重要な要素として挙げています。サステナビリティとAI/MLの両方がITの将来において重要な役割を果たすことを考えると、それらを組み合わせて使用することが理にかなっていると言えます。

AIアルゴリズムを使用すると、自動化されたデータセンターは重要なデータポイントを取り込み、それらを使用して特定の状況下でのサステナビリティ指標を正確に予測し、予測結果に基づいて運用を最適化できます。AIアルゴリズムは、省電力ワークロードオーケストレーションの自動化にも使用できます。これにより、電力需要のバランスを取り、再生可能エネルギーの利用可能なタイミングに基づいてワークロードをスケジュールすることが可能になります。

4. 高効率冷却によってエネルギーの浪費を制限できます

データセンター効率の測定には、電力使用効率(PUE)が使用されます。この値は、IT機器による電力使用量がデータセンター全体の消費電力に占める割合として表されます。データセンター事業者がPUEを削減するには、IT機器に直接電力を供給していないオーバーヘッドエネルギーを削減する必要があります。このオーバーヘッドエネルギーの推定75%が冷却システムに費やされているため、高効率冷却は、サステナビリティの問題を解く非常に重要な鍵となります。

エクイニクスは、ASHRAE(アメリカ暖房冷凍空調学会)の熱基準に準拠していることが示すとおり、高効率冷却を優先事項としてとらえています。また、DC15データセンターのコ・イノベーション施設(CIF)でテストし、NY5データセンターにEquinix Metal®とともに液体冷却などの高密度冷却方式を導入しています。液体冷却は、非常に高密度の電力を必要とする先端テクノロジーなど、従来の空冷方式では十分に対応できない分野もサポートできます。

シンガポールのSG5データセンターは、エクイニクスが独自に開発した革新的な表面冷却技術「Equinix Cooling Array」を導入しており、水や電力の消費を抑えながら、高密度なお客様をサポートできます。

冷却効率を最大化するもう一つの方法として、最適化されたエアフロー管理があります。熱気と冷気を施設全体にランダムに流すのではなく、供給通路に冷気、排気通路に熱気を閉じ込めるための物理的な障壁を設けています。冷気の分配を最適化した結果、IT機器の冷却が特に困難でエネルギー集約的な中東などの温暖な気候地域でも、PUEを低く抑えることに成功しました。

エクイニクスのサステナビリティ戦略をさらに詳しく

このブログでは、エクイニクスのサステナビリティへの取り組みの一部を紹介しているだけで、実際にはさまざまな取り組みが毎日執り行われています。エクイニクスが科学的根拠に基づく目標(SBT)の導入から1年が経ち、私たちはここまでの進歩を誇りに感じつつ、この歩みを今後も続けるために邁進してまいります。

エクイニクスのサステナビリティ戦略が業界アナリストの間でどのようにとらえられているかについて詳しくは、IDC「持続可能性のための技術・社会的影響の指標」 – エクイニクスのプロファイル(IDC Sustainability Index Vendor Profile for Equinix)をご確認ください。

この記事の関連資料

エクイニクス「ホットテイク」ビデオでは、データセンター業界のサステナビリティの動向をご紹介し、エクイニクスのデータセンターをよりクリーンで効率的にするための再設計の取り組みについてご説明します。

 

[1] The Science Based Targets Initiative

[2] Data Center Dynamics, “Equinix signs 30MW+ wind PPA in Finland.” Dan Swinhoe, January 10, 2022.

[3] Energy Global, “Neoen and Prokon sign second PPA with Equinix.” Abi Larkin, July 25, 2022.

[4] Ellen MacArthur Foundation, “What is a circular economy?

[5]Helen and Equinix extend successful cooperation to distribute more waste heat from data centers to properties in Helsinki

95%

エクイニクスは2021年に、当社史上最高水準となる95%の再生可能エネルギー比率をグローバルデータセンター全体で達成しました

Gary Aitkenhead
Gary Aitkenhead SVP, EMEA IBX Operations
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