重要な金融取引や取引から通信、ナビゲーション、仮想ビデオ会議に至るまで、データ集約型アプリケーションのワークロードは、大規模、かつ、正常に実行するために、時刻同期のオペレーションに大きく依存しています。ビジネスインフラストラクチャにおける急速なクラウド導入とデジタル化に伴い、データセンターはネットワークチェーン全体における重要な時間のつなぎ目となっています。エクイニクスは、この地域の企業の時刻同期ニーズの高まりに応えるために、Time-as-a-Service Equinix Precision Time® を提供しています。 Equinix Precision Time は、50 ~ 150 ミリ秒の精度を提供する Network Time Protocol (NTP) と、1 ~ 50 マイクロ秒の同期精度を提供する Precision Time Protocol (PTP) の両方をサポートしており、地域外から検証・テストされることで高い運用同期精度を確認しています。
エクイニクスは、Equinix Fabric接続設定サービスのようなマネージドサービスを日本で提供しています。Equinix Fabric接続設定サービスでは、エクイニクスがEquinix Fabric®経由でのお客様L3スイッチとEquinix Precision Timeとの接続、Equinix Precision Timeの設定作業、お客様L3スイッチのPTP/マルチキャストルーティングの設定代行を行い、お客様のEquinix Precision Timeの利用をサポートします。
時刻同期により、最新のエンタープライズ運用が可能に
企業や組織は、コンピューティング、ストレージ、ネットワークのパフォーマンスを提供するために、共通の参照フレームで動作し、時には、何マイルも離れているようなデータインフラストラクチャに依存します。この基盤を維持する上で、最も重要でありながら見過ごされているものは、ますます複雑化および高速化してくると、ネットワークとアプリケーションが断片化され、時刻同期のアップグレードが必要になることです。正確な時間で運用することは、お客様や企業の機能および業界の両方にとって重要なベンチマークです。時間のソースは、システムのオペレーティングシステムによって最終的に認識される前に、変換、転送、再変換、およびネットワーク化されるため、レガシーハードウェアシステムに含まれる多くのローカルエンタープライズクロックは、必然的に予測できないドリフトとゆらぎを経験します。これにより、時間の受信または計算時に遅延が発生し、タイムスタンプが不正確になり、ネットワークの同期性が失われます。精度、信頼性、セキュリティのレベルはユースケースによって異なる場合がありますが、多くの産業やミッションクリティカルなアプリケーションでは、規制コンプライアンスとベンチマークを維持するために高精度の正確な時刻が必要です。
ネットワークやアプリの高速化に伴い、クロックも追随する必要があり、生成されるタイムスタンプが不正確であったり、シーケンスの重複が発生します。タイミングの不正確さを放置しておくと、ネットワークの問題が発生し、ミッションの失敗や運用の崩壊につながる可能性があります。Equinix Precision Time のようなソフトウェア定義およびハードウェアアクセラレーションによる時刻同期サービスは、同期性の課題を克服し、現代の企業ニーズに対応します。
Network Time ProtocolからPrecision Time Protocolへ移行する
NTP と PTP はどちらも、ネットワーク経由でクロックを同期するために使用されます。Equinix Precision TimeのPTPは、国際規格IEEE 1588で定義された時刻同期プロトコルであり、ネットワークを介して時刻を同期するNTPと比較して、より正確な計時プロトコルです。NTP は、相互間のタイミングスキューから数ミリ秒以内に数千台の参加デバイスが存在する大規模な異種ネットワークで使用するように設計されており、専用のネットワークや高帯域幅の接続を必要としません。従来、データセンターノードはNTPを使用してクロック時刻を同期していました。レガシーアプリケーションのニーズに対応するにはこれで十分でしたが、最新のアプリケーションは、PTPのみが提供できるサブマイクロ秒の時刻同期にますます必要となってきています。
従来のNTP時刻同期の代替として登場したPTPは、IPネットワークでより高い精度レベルを実現します。 PTPは、タイムスタンプと同期の問題に対処するため、マイクロ秒単位の精度レベルを実現し、信頼できるタイムソース(GPS または専用のタイムフィード)から得られる完全なトレーサビリティを実現します。 PTPを使用すると、現在のNTPインフラストラクチャが提供する精度よりも2~3桁のレベル向上を実現します。 Equinix Precision Time チームから収集したPTPの最新のテスト結果を以下にまとめました。このデータ参照は、シンガポールのSLA測定サーバーからのもので、Equinix Fabric を通じて東京から PTP 時間を受信したものです。
上のグラフは、Equinix Fabric の更新前に測定された、2022年10月18日時点の12時間のデータを示しています。その下のグラフには、Equinix Fabric のアップグレード後に収集された、2022年12 月18日時点のデータが表示されます。同一地点間では、更新前の10月のデータの偏差が12月のデータの偏差よりもかなり大きいことがわかります。