データセンターは、デジタル世界を支える重要なインフラストラクチャの要素を保持し、それを支えるための電力と冷却機能を提供する、現代社会において欠かせない存在です。エクイニクスのハイパフォーマンスなIBX®データセンターでは、コンピューティング、ストレージ、ネットワーク機器を収容するだけでなく、これらが円滑に稼働するための電力と冷却設備も備えています。
データセンターは、AI、サステナビリティ、マルチクラウドの採用、地理的拡大、デジタルトランスフォーメーションなど、さまざまな企業ニーズの基盤として機能しますが、外部の人々にとってはデータセンターは不可解な存在であるかもしれません。
今回、ITインフラストラクチャを維持し、可能な限り効率的に稼働するための電力供給と冷却機能、さらにいくつかのユニークな外部機能についてご紹介します。
データの電力供給
データセンターは、ストレージやサーバー、ネットワーク機器の設置場所としてだけでなく、それらの機器が大量のエネルギーを消費し、熱を発生させるため、それを最適に保つための電力と冷却設備が必要です。
一般的に、データセンターは公共の電力会社から電力供給を受けていますが、自然災害やその他の予期しない事象で停電することもあります。このため、稼働時間を確保するためにバックアップ電源が不可欠です。
そのバックアップ電源の重要な要素が無停電電源装置(UPS)で、UPSは安定した電力を供給し、ディーゼル発電機が始動するまでの間、バッテリーをエネルギーの貯蔵源として使用して、スムーズな移行を可能にします。
図1:UPSバッテリーバックアップ
図2:ディーゼル発電機
スイッチギアは、データセンター内の電力配給の中枢を担い、公共電力やバックアップ発電機から供給される電力を各システムや機器に供給し、電気設備を制御、保護、分離します。
図3:スイッチギア
電力分配ユニット(PDU)は、データセンター内の電力供給を補助します。図4に示されている左側の白いボックスがPDUで、これがリモートパワーパネル(RPP)に電力を供給し、その後各キャビネットに電力が供給されます。
図4:電力分配ユニット(PDU)(左)と冷却システム(中央)
図5:リモートパワーパネル(RPP)
データセンターの冷却
データセンター内のIT機器を最適な温度に維持するために、いくつかの冷却技術が使用されています。これには、空冷と液冷技術が含まれます。
次の写真に示されているチラーは水を所定の温度まで冷却し、その冷却水がデータセンターフロアに設置された冷却ユニットに送ります。
図6:チラー
冷水配管は、チラーからコンピュータルームエアハンドラー(CRAH)やその他の冷却設備へ冷水を運搬します。
図7:冷水配管
CRAHはデータセンター内の温度を調整するために使用されます。冷気は床下から各キャビネットの下にある穴あきタイルを通して送り込まれ、効率的な冷却が行われます。
図8:コンピュータルームエアハンドラー(CRAH)
データセンターの冷却技術は効率向上のため進化を続けています。たとえば、エクイニクスの一部のデータセンターで採用されているクールアレイ技術がその一例です。クールアレイはファンウォールの新しい設計で、スラブ上のクール/ホットアイル封じ込め(コンテイメント)方式の一部として使用されています。
図9:シンガポール施設内でのクールアレイ
チップ直冷式の液冷技術は、AIなどの次世代技術に必要とされる高密度ラックに特に有効な革新的な冷却技術です。この技術では、サーバーキャビネット内の各コンポーネントに直接液体が供給され、より効率的な熱伝達が可能となります。このシステムは、前述の空冷システムとは異なり、いくつかのサーバー改修が必要ですが、高密度実装の冷却に大きな可能性を提供します。
図10:液冷キャビネット
Data center rooftops
データセンターの屋上には、さまざまな目的で設備が設置されています。冷却・換気設備や太陽光パネル、さらには植物が配置されることもあります。
パリにあるデータセンターの一部では、屋上に温室が設置されています。
図11:屋上温室
また、外部または屋上に設置された太陽光発電システムは、地域の電力網を補完し、持続可能な目標をサポートする再生可能エネルギーを供給します。
図12:メルボルンのデータセンターの屋上太陽光パネル
データセンター内部を見たことがない方にも、このフォトツアーを通じて、企業が製品やサービスを提供するための運営にどれだけの技術が必要かをご理解いただければ幸いです。
さらに詳しい情報については、各地のデータセンターのページやロンドンのデータセンターバーチャルツアーをご覧ください。