オンプレミス vs. コロケーション

デジタル時代のビジネスに必須な柔軟性をサポートするコロケーションのメリット

Nicholas Hollings
オンプレミス vs. コロケーション

これまでにいくつかの自社データセンター構築プロジェクトに携わり、現在は多くの企業や組織がPlatform Equinix®を活用してITインフラストラクチャを拡張する支援を行っています。私がコロケーションの導入を初めて真剣に検討したのは、当社の本社オフィスとオンプレミスのデータセンターがある工業団地で、通信ケーブルが何者かによって3度も切断されるというトラブルを経験したことがきっかけでした。

それだけでなく、大規模な雷雨のたびに地域の電力網がダウンし、数時間に及ぶ停電に見舞われることもありました。ビジネスの拡大に伴い、主要なITシステムへの依存度が劇的に高まったため、当社のデータセンターの信頼性を確保するためのより良い解決策が必要になりました。こうした経験から、オンプレミスのデータセンターには、自社の努力だけでは制御できないリスクが多く存在することを痛感しました。

ITにおける最大の課題を克服し、将来にわたって業務を継続していくために、検討したのが、コロケーションへの移行でした。データセンターのニーズに適したモデルを選択する際には、考慮すべき多くの要因があります。本記事では、オンプレミスとコロケーションデータセンターの違いを詳しく解説し、それぞれのメリットおよびデメリットを比較しながら、どちらが自社に適しているのかを判断するための情報を提供します。

オンプレミスのデータセンターとは? 

オンプレミスデータセンターとは、組織が所有し、運営するプライベートIT機器をホストするためのデータセンターです。施設の設計、構築、電力や空調設備の維持管理、物理的なセキュリティ確保、サーバーやネットワーク機器の運用および保守など、すべての管理責任が利用企業にあります。 

オンプレミス環境の最大の利点は、ITリソースを完全に自社管理できることですが、その分、多額の設備投資と高度な専門知識、そして継続的な運用コストが不可欠となります。 

コロケーションデータセンターとは? 

コロケーションデータセンターとは、データセンター運営会社が電力やスペース、管理のためのサービスを提供し、複数の企業が同じ施設内にITインフラストラクチャを設置できることです。企業や組織のITニーズが進化し続ける中、コロケーションプロバイダは施設のアップグレードを継続的に行い、その恩恵を追加コストなしでお客様が享受できるというメリットがあります。 

オンプレミスデータセンターの課題とは? 

デジタル変革が加速する中、多くの企業や組織がオンプレミスのデータセンター運用を見直しています。 

かつては、ユーザーがシステムの近くにいることが重要でした。しかし現在は、システムが分散化され、ユーザーのいる場所に合わせて展開される時代になっています。従来は、従業員の多いオフィスの近くにデータセンターを構えるのが一般的でしたが、リモートワークが主流になった今、こうした考え方はもはや必須ではありません。むしろ、世界中の従業員やお客様に対応するためには、一カ所にITリソースを集中させるよりも、分散型のアプローチが求められます。 

また、多くの企業や組織はオフィスを自社で所有していません。では、データセンターだけを例外にする理由があるでしょうか?オンプレミスのデータセンターを新設するには、数億円規模の資金と莫大な時間がかかります。さらに、完成後も継続的なアップグレードが不可欠であり、容量の拡張やネットワークの設定も手間がかかる上、迅速な対応が難しくなります。 

加えて、データセンター運用の専門知識を持つ人材は限られています。これは、ケーキ作りに例えると分かりやすいでしょう。材料を揃え、レシピ通りに作れば誰でもケーキは焼けます。しかし、本当に美味しいケーキを作るには、プロのパティシエの経験と技術が不可欠です。データセンター運用も同じで、自社専用に設計および運用するITチームと、世界中の何千もの企業のためのデータセンターのプロフェッショナルでは、知識やノウハウに大きな差があります。 

コロケーションプロバイダーがデータセンターの設計および運用に特化しているように、企業にも本業があります。限られたリソースをオンプレミスのデータセンターの運用に費やしてしまうと、その分、本来のビジネスに集中する時間や人材が奪われてしまいます。効率よく事業を成長させるためにも、ITインフラストラクチャは専門家に任せ、企業は自社の強みにフォーカスすることが重要です。 

コロケーションへの移行がもたらすメリットとは? 

コロケーションの最大のメリットのひとつは、コストの予測性と最適化です。OPEX(運用コスト)ベースの支出モデルに移行することで、データセンター運用にかかるコストを計画的に管理できるようになり、支払った分だけのサービスを受けているという確信が得られます。これに対し、オンプレミスのデータセンターでは、将来の需要を見越して過剰なキャパシティを確保する必要があり、結果的に稼働率の低いリソースが発生するリスクがあります。 

スケーラビリティ 

コロケーションを活用することで、企業や組織は事業の成長に合わせて柔軟にITインフラストラクチャを拡張できます。既存拠点でのリソース増強はもちろん、新たな市場への迅速な進出も可能になります。そのため、コロケーションを導入する際は、グローバルな拠点を広く展開しているプロバイダを選ぶことが重要です。 

エコシステムへのアクセス 

最新のコロケーションデータセンターは、グローバルなデジタル経済の集積地となっています。同じ施設内に多くの企業や組織が展開していること自体が、大きなメリットになります。たとえば、複数のネットワークプロバイダやクラウドサービスプロバイダへ低遅延で接続できる環境が整っているため、迅速にネットワークを拡張し、最新のデジタルサービスをシームレスに活用することが可能です。また、パートナーとの直接接続を通じてデータをやり取りし、協業の機会を生み出すこともできます。 

パフォーマンスの最適化 

クラウドを中心としたIT戦略を採用する企業が増えていますが、すべてのデータやワークロードをクラウド上に配置すると、コストの増大、柔軟性の低下、コンプライアンスの課題といった問題が発生することがあります。一方、一部のコロケーションデータセンターでは、クラウド隣接インフラストラクチャを提供し、複数のクラウドプロバイダへの低遅延接続を実現しています。これにより、データの管理をより柔軟に行え、データ転送コスト(エグレスコスト)を抑えながら、必要なクラウドサービスに最適な形でアクセスすることが可能になります。 

AI対応インフラストラクチャ 

AIを活用したビジネスや高度な計算処理が一般化する中、従来型のオンプレミスデータセンターでは、これらのワークロードを支えることがますます困難になっています。最新のAIシステムは、高密度な電力供給と特殊な冷却環境を必要としますが、自社でこれらの要件を満たすのは容易ではありません。 

先進的なコロケーションプロバイダーは、液体冷却などの最先端技術に投資し、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)に必要な電力供給と冷却性能を確保できる環境を提供しています。 

さらに、主要なハードウェア企業とのパートナーシップを通じて、AI時代に不可欠なコンピューティングリソースの導入をサポートしています。例えば、GPU容量の展開をよりシンプルにし、企業や組織がスムーズにAI活用を進められるよう支援しています。 

サステナビリティ 

環境に配慮したデータセンター運用は、自社で取り組むには非常に難しい課題ですが、適切なコロケーションプロバイダと連携することで、スムーズかつ効率的に実現できます。先進的なコロケーションプロバイダーは、再生可能エネルギーの供給拡大に積極的に投資し、データセンターのエネルギー効率を向上させる取り組みを進めています。これにより、消費電力を削減しながら、環境負荷を低減することが可能になります。こうした取り組みの恩恵はお客様企業にも還元され、各社が自社のサステナビリティ目標を達成するうえで大きな助けとなります。 

コロケーションの最適化には適切なパートナー選びが重要 

コロケーションのメリットは明確ですが、その価値を最大限に引き出せるプロバイダを選ぶことが重要です。すべてのコロケーションプロバイダが同じ水準のサービスを提供できるわけではありません。例えば、エクイニクスであれば、以下の強みを活かして、より効果的なITインフラストラクチャ環境を実現できます。 

  • グローバル規模のコロケーションプラットフォーム:6大陸、70以上の戦略的拠点に展開 
  • 充実したパートナーエコシステム:5,000社以上の企業、3,000以上のクラウド・ITサービスプロバイダ2,000以上のネットワークプロバイダとの接続が可能 
  • 業界をリードする低遅延クラウド接続:主要クラウドプロバイダへのオンランプがあり、シームレスなアクセスを提供 
  • NVIDIAとの提携:AI時代に求められるコンピューティング環境を容易に導入可能 
  • サステナビリティと効率性のリーダーシップ2024年には96%の再生可能エネルギー利用を達成 
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Nicholas Hollings Global Principal Solution Architect
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