持続可能な未来を推進:デジタル時代に向けたエネルギーイノベーション

再生可能エネルギーから代替燃料、データセンター効率化を通じ、エクイニクスは明日のデジタル社会のエネルギー革新に投資

Ali Ruckteschler
Christopher Wellise
持続可能な未来を推進:デジタル時代に向けたエネルギーイノベーション

私たちは今、AIやモノのインターネット(IoTといったテクノロジーが産業の枠を超えて革新をもたらす「インテリジェント時代」に突入しています。これらのデータ主導型で電力を大量に消費するイノベーションの広がりとともに、製造業、輸送家庭などを含むあらゆる分野でエネルギー需要が高まっています。世界の電力需要は2030年に31,000〜36,000テラワット時(TWh)、2050年にはおよそ倍増して52,000〜71,000TWhに達すると予測されています [1] 。エネルギー需要の増大に合わせて、信頼性が高く、持続可能で拡張性に富むエネルギーインフラを構築することは、私たちの責務でありチャンスでもあります。 

世界ではエネルギー転換が進行中です。2023年の世界全体の発電量における再生可能エネルギーの割合は30%でしたが、2030年には46%まで伸びる見込みです[2] 。産業、商業および家庭ユーザーの需要増に応えるには、再生可能エネルギーの導入規模を急速に拡大する必要があります。その迅速な拡大には多くの課題が伴い、政府や産業界の大規模な投資とコミットメントが欠かせません。 

電力需要を押し上げている要因は複数あります。 

  • 交通、建物および産業などあらゆる領域で進む「電化」 
  • 老朽化したインフラの更新と需要拡大への対応 
  • AIをはじめとする高性能コンピューティングの活用拡大に伴うデータセンターの高密度化 

一方で、既存の送電網は増大する電力需要に追いつけず苦戦しています[3] 

世界の電力ニーズを支え、将来のグリッド安定性を確保するには、追加の電力容量をより早く確保する必要があります。デジタル経済の基盤を担うデータセンター事業者として、エクイニクスはこの課題解決に重要な役割を果たします。データセンター施設に将来にわたって電力を供給することは、さまざまな角度から取り組む必要のある複雑な課題です。将来の施設を稼働させるには、新たな発電所への投資、代替電源の探索、データセンター効率の向上、データセンターと電力網との相互作用の最適化など、多角的な取り組みが求められます。最終的には、データセンター自体が世界のエネルギーグリッドと社会全体の安定性に貢献する「資産」へと進化させることを目指しています。 

再生可能エネルギー調達とオンサイト発電の拡大 

国際エネルギー機関(IEA)の調査によると、データセンターのエネルギー消費は今後大幅に増加し、この10年の終わりまでに世界の電力使用量の3〜4%に達すると予測されています[4]。業界や顧客、さらには社会全体のエネルギーニーズを支えるためには、複数のエネルギー源と電力網強化のアプローチが必要です。現在、2050年までに必要とされる世界の公約を達成するために必要な低排出技術のうち、導入済みのものは約10%に過ぎません [5] 。新しい資産とエネルギーインフラの構築には、まだ多くの取り組みが求められています。 

エクイニクスは2030年までに全世界のポートフォリオで100%クリーンかつ再生可能エネルギーを調達することをめざしています。新規の発電源を探し、可能な限り現地で再エネを調達し、新しいデータセンターの立地を決定する際には再エネの利用可能性を考慮しています。すでに当社はグローバルで再エネ比率96%、250サイトで100%再エネを達成しています。 

目標達成のため、エクイニクスは再生可能エネルギーの利用を拡大しており、特に電力購入契約(PPA)に重点を置いています。PPAは、買い手と再生可能エネルギー開発者が、事前に定められた価格で電力を購入する長期契約です。現在、太陽光および風力プロジェクト向けに合計1.2GWのPPAを締結しており、これらのPPAのうち2024年だけで370MWを実行しました。 

太陽光発電もデータセンター運営の脱炭素化と地域電力網への新規発電容量追加に貢献します。オンサイトの太陽光だけでデータセンターの全電力をまかなうことは不可能ですが、エクイニクスの再エネ戦略において重要な役割を担います。南米、欧州、豪州の各拠点に太陽光パネルを設置し、世界で合計6MWの容量を導入しました。 

インド・ムンバイのエクイニクス施設の太陽光発電設備 

代替電力と代替燃料の探求 

持続可能な未来を実現するには、新しい代替電力源の検討も必要です。例えば、燃料電池は、燃焼を介さずに化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換することで、従来の燃焼技術より高効率に発電できます。従来の燃焼型発電所が約35%の効率なのに対し、燃料電池システムは最大60%の効率を実現します[6] 。そのため燃料電池は大幅に低い排出量を実現し、水使用も回避し、窒素酸化物や粒子状物質を排出しないというメリットがあります 。 

エクイニクスは世界で72MWの燃料電池を導入し、契約済み分を含めると104MWになります。これらの燃料電池は最大50%の水素混合燃料に対応し、285,000MTCO2eの排出と3820億ガロンの水利用を回避しています。 

水素化処理植物油(HVO)は、データセンターのバックアップ発電用エネルギー源となり得る代替燃料です。2024年、エクイニクスはHVOを試験し、通常の予備発電機用のディーゼル燃料の代替として最大90%のCO2削減効果を確認しました。現在、ロンドン、パリ、フランクフルトの各都市圏でHVOの使用をパイロット運用中です。 

データセンターの効率向上 

エネルギーイノベーションは発電源だけでなく、電力使用量を削減するための効率最大化にも関わります。AIの普及でデータセンターの規模と密度が高まるなか、冷却は総消費電力の大きな割合を占めます。エクイニクスはエネルギー効率を高めるため、チップ直冷式などのさまざまな先進的な冷却技術を検討しています。 

また、施設をより広い温度範囲で運用することで効率を向上させています。2022年以降、エクイニクスは世界中のサイトでASHRAE A1 Allowable(A1A)基準を段階的に導入し、処理能力や機器の安全性を損なうことなく、より高い温度での運用を可能にした柔軟性を実現しています。たとえば、2024年にはオランダの全データセンターでお客様契約を更新し、A1A基準を適用しています。2025年に新温度が導入されると、データセンターのエネルギー使用効率を測定する標準指標であるPUE(電力使用効率)の改善が期待され、同国での新たな規制要件への対応にもつながります。 

インフラストラクチャの配置もエネルギー効率に影響します。企業や組織がさまざまな自社施設に分散して設置しているIT機器をコロケーション施設に統合することは有利です。データセンター事業者は個々の企業よりも規模の経済を生かしてエネルギーイノベーションと効率改善に投資できます。Uptime Instituteの調査によれば、大規模かつ新しいコロケーション施設は、小規模なオンプレミスデータセンターより優れたPUEを達成できると示されています[7] 

エネルギー効率実現に向けた連携

インテリジェント時代の電力確保には、データセンター事業者、電力会社、業界団体、政府、ハードウェアメーカーなど、さまざまな主体による協力とイノベーションが不可欠です。こうしたパートナーシップは、世界が必要とする堅牢で持続可能なエネルギーインフラを構築するうえで重要となります。 

エクイニクスは、お客様のサステナビリティ目標達成を支援するとともに、エネルギーイノベーションの集団的なアクションを推進するため同業他社と協力しています。当社は低コストで信頼性が高く、二酸化炭素排出ゼロのグローバル電力システムを推進する業界団体CEBA(Clean Energy Buyers Association)に加盟し、再エネ調達に関するワークショップを主導してきました。また、欧州連合データセンターアライアンス(EUDCA)の政策ワーキンググループに参画し、アジア太平洋データセンター協会(APDCA)の創設メンバーでもあります。2024年にはISO/IEC30134-2(PUE)のレビューで専門知識を提供し、既存のベストプラクティスガイダンスの改善と改訂に貢献しました。再エネを拡大し電力網の安定を図る上で、このようなパートナーシップが今後も極めて重要です。 

データセンターエネルギーの未来

小型モジュール炉(SMR)による原子力発電など、さらなるエネルギーイノベーションが登場しつつあります。SMRは従来型よりシンプルで安全とされ、データセンターではまだ広く使われていませんが、そのアイデアは注目を集めています。エクイニクスは電力ニーズとサステナビリティ目標に合わせて原子力技術の進展を注視しており、2024年には原子力技術企業Okloから500MWのエネルギーを調達する契約を締結しました。これは、データセンター事業者として世界で初めてSMR企業と合意した事例です。 

今後もデータセンターはデジタル経済に不可欠なインフラであり続けます。AIのエネルギー要件には不確実性が残りますが、企業や組織はサステナビリティを損なわずにAIを導入する手段を講じることができます。多様な発電技術へのイノベーションと投資を通じて、データセンターはエネルギー消費者からグリッド資産へと変革する可能性を秘めています。技術駆動の未来のエネルギー要件を満たすには、クリーンエネルギー転換の最先端を維持するために新興技術へ継続的に投資することが不可欠です。 

エクイニクスは、世界の増大するエネルギーニーズに対応し、お客様のサステナビリティ要件を満たす創造的なソリューションの一翼を担うことを約束します。エネルギーイノベーションにおける当社の役割の詳細は、最新のサステナビリティレポートをご覧ください。 

 

[1] Global Energy Perspective 2023: Power outlook, McKinsey & Company, 2024年1月16日 

[2] Renewables 2024: Global Overview, International Energy Agency, 2024年10月 

[3] Electricity Grids and Secure Energy Transitions, International Energy Agency, 2023年10月 

[4] Energy demand from AI, International Energy Agency, 2025年4月 

[5] 25 tech and infrastructure problems to solve before we can reach net zero, McKinsey & Company, 2024年11月22日 

[6] Fuel Cells Fact Sheet, U.S. Department of Energy. 

[7] Global PUEs: Are they going anywhere? Uptime Institute, 2023年12月4日 

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Ali Ruckteschler VP, Chief Procurement Officer
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Christopher Wellise VP, Sustainability
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