複数のパブリッククラウドを利用することは、今や企業の主流となっています。しかし、多くのインフラストラクチャチームがマルチクラウド戦略の効果的な管理に苦労しているのには、もっともな理由があります。まず、各クラウドサービスプロバイダー(CSP)は独自のネットワークアーキテクチャと接続フレームワークを持っており、企業のインフラストラクチャチームはこれらを学習し、サポートし、管理する必要があります。その他の要因としては、接続性、セキュリティ、管理の複雑さ、パフォーマンス、信頼性、相互運用性、統合に関する課題が挙げられます。
読者の皆さんのマルチクラウドネットワーク体験は、非常に複雑で、設定や構成の確認などで業務が滞り、コストを増大させるような複雑さに溢れていませんか?確かに、クラウドインフラストラクチャとマルチクラウドネットワークの管理は困難な場合がありますが、その複雑さを解消することは可能です。
もし読者の皆さんがGoogle Cloud Next 25の当社セッションに参加されたなら、Uberがあるパブリッククラウドから別のパブリッククラウドへ、いかにして大規模なデータ移行を完了させたかという説得力のある話をお聞きになったことでしょう。その移行について、以下のブログ記事で要約します。
マルチクラウド環境におけるネットワークの課題を克服する
マルチクラウド戦略を成功させるためには、解決すべきいくつかのネットワーク課題があります。
多様なクラウド環境が、すでに逼迫しているリソースに負荷をかける: マルチクラウド環境の運用には、クラウド以上のものが関わってきます。複数のクラウドにまたがるレガシーシステムと新しいシステムを調整し、各クラウドの異なるツールや構成を把握し、業界標準の欠如によるクラウド間の違いを理解するためのスキルが必要です。
可視性の限界がセキュリティリスクとコンプライアンスギャップを増大させる: 複数のクラウドに分散したデータを管理するには、一貫したポリシーを確保し、データ更新をリアルタイムで追跡する必要があります。リスク管理とコンプライアンス要件の遵守には、監視が不可欠です。
レイテンシ問題がユーザーエクスペリエンスに影響を与える: パフォーマンスの確保は、あらゆる業界に影響を与えるもう一つの課題です。データがあるクラウドから別のクラウドへ転送される際、わずかなレイテンシがエンドユーザーの不満につながる可能性があります。
一貫性のないセキュリティフレームワークが脆弱性を生み出す: 各クラウドはセキュリティを異なる方法で管理しているため、脆弱性が生じる可能性があります。マルチクラウド環境全体で一貫したポリシーがなければ、企業は高額な補償につながりかねないコンプライアンスリスクに直面します。
分散型マルチクラウド環境におけるネットワークで成功を収めるには、以下の戦略を適用することが有効です。
- プライベートネットワーク、パブリッククラウド、インターネットの交差点に近い、適切なロケーションにいることを確認する。
- 協業やイノベーションが可能なエコシステムを持つクラウドオンランプの近くで、適切なパートナーやプロバイダと連携する。
- 統一されたグローバルネットワークポリシーを確立し、一貫したセキュリティとパフォーマンスを確保しながら、管理を簡素化し、運用コストを削減し、アップグレードを合理化する。
ユースケース:Uberにおける大規模なクラウド間移行の解決
クラウド間の1回限りの移行であれ、分散型マルチクラウド環境の継続的なサポートであれ、マルチクラウドネットワークのシナリオはそれぞれ異なります。適切なソリューションは、より低レイテンシ、改善されたエンドユーザーエクスペリエンス、そしてコスト削減を実現できます。
例えばUberのケースを見てみましょう。70カ国、15,000都市で月間1億5,000万人のアクティブユーザーを抱える世界最大のライドシェア企業である同社は、あるパブリッククラウドからGoogle Cloudへ、6.5ペタバイトもの多様なデータを迅速に移行するという困難なタスクに直面しました。
このデータ量を具体的にイメージするために、それが以下に相当することを考えてみてください。
- 約65億枚の写真
- 約460万時間のHDビデオ(これは525年以上の連続ビデオ再生に相当)
- 標準的なテキスト文書約6.5兆ページ
また以下のように移行要件は厳しいものでした。
- この移行を既存の物理ネットワーク接続から完全に分離する。
- バックボーンで実行されている日常的な本番トラフィックのパフォーマンスを損なうリスクを回避する。
- 移行トラフィックによってクラウド接続が飽和状態になるのを防ぐ。
コストも重要な要素でした。移行中、Uberは2つのパブリッククラウドで重複したデータストレージコストを負担することになるため、高速な転送を確実にすることが極めて重要でした。
Uberは可能な限り迅速に移行を完了するという強いプレッシャーにさらされていました。Uberはいくつかの選択肢を検討しましたが、それらは理想的ではありませんでした。Uberのバックボーンを圧迫するリスクや、高価なパブリックインターネットのエデータ転送料を支払うリスクがあったためです。エクイニクスとの協議を開始した際、彼らは1週間以内に稼働させる必要がありました。ダウンタイムが発生すればクラウドコストが増加するため、信頼性が不可欠でした。
最終的に、Equinix Fabric Cloud Routerを用いたソリューションが当社の移行にとって最適な選択であることが明らかになりました。なぜなら、長期契約に縛られることなく、必要としていた直接的なクラウド間接続と低レイテンシを提供してくれたからです。Fabric Cloud Routerはオンデマンドソリューションなので、移行が完了したらサービスを停止するだけで済みました。— Raam Muthusamy氏、シニアスタッフインフラストラクチャエンジニア、Uber Technologies, Inc.
Equinix Fabric Cloud Routerは、帯域幅を動的にスケールアップ(20 Gbpsから40 Gbpsへ)し、必要に応じてスケールダウンすることを可能にします。Uberは1日足らずでサービスを立ち上げることができました。そして、移行プロジェクトを開始するための積極的なタイムラインを達成しました。
Uberの経験が示すように、マルチクラウドネットワークはもはや複雑である必要はありません。もしこのソリューションがなければ、Uberは単純なクラウド移行を実行するために、ネットワーク機器の購入や通信事業者から複数年の回線契約を結ぶ必要があったでしょう。その代わりに、彼らは簡単、迅速、かつ費用対効果の高いas a Serviceソリューションを使用して移行を完了しました。
エクイニクスとGoogle Cloudでマルチクラウドネットワークの課題を解決する
エクイニクスにデジタルインフラストラクチャを導入いただくことで、Google Cloudへの接続はきわめて容易になります。エクイニクスはクラウドオンランプのリーディングプロバイダとして、44を超える都市圏(メトロ)において、お客様のGoogle Cloudへのアクセスを確実にサポートします。事実として、エクイニクスのお客様の20%が既にこのメリットを享受されています。
エクイニクスとGoogle Cloudは、単に互いのテクノロジーを活用し合うだけではありません。両社は、共通のお客様のクラウドジャーニーを、より迅速、シンプル、かつ効果的なものにするために緊密に連携しています。これによりお客様は、Google Cloud上で稼働するアプリケーションのパフォーマンスを最適化し、職場の生産性を高める優れたユーザーエクスペリエンスを実現できます。
エクイニクスのロケーションから、お客様をGoogle Cloudへ接続する方法の代表例を以下にご紹介します。
- 24を超えるエクイニクスの都市圏(メトロ)に、Google Cloudの低遅延リージョンが設置されています。
- 19を超えるエクイニクスの都市圏(メトロ)で、クロスクラウドの相互接続アクセスを提供しています。
- 32を超えるエクイニクスの都市圏(メトロ)において、20/50 Gbpsの高速仮想接続をご利用いただけます。
エクイニクスは、複数のクラウド環境にわたるシームレスな統合を実現し、パフォーマンスの最適化とコスト削減を可能にするソリューションによって、マルチクラウドネットワークの複雑さを解消します。
エクイニクスがお客様の価値創出を促進し、マルチクラウド運用をいかに合理化できるかについては、『マルチクラウドネットワークガイド』をご覧ください。
あわせて、「Equinix Fabric Cloud Router データシート」もご覧ください。
