マルチクラウド環境は今や企業の標準となりましたが、複数のクラウドを利用することは、ネットワークに多大な複雑さをもたらしています。企業はAI戦略の推進をはじめ、ハイブリッドマルチクラウドインフラストラクチャの活用を急いでいますが、その一方で、元来マルチクラウド環境向けに設計されていなかったネットワークアーキテクチャとの間に矛盾が生じ、苦慮するケースが増えています。
効果的なマルチクラウドネットワークがなければ、多くの問題が発生しかねません。
- 運用非効率によるコスト増大
- サービスの信頼性低下によるユーザーエクスペリエンスの悪化
- セキュリティの脆弱性とデータ損失
- 規制に関するリスクとコンプライアンス違反
データ駆動型の意思決定がますます主流となるITの世界において、信頼性の高い低遅延のマルチクラウド接続は不可欠です。それは、AIやエッジコンピューティングの成功の成否を分ける要素と言っても過言ではありません。これを正しく実現するためには、すべてのパブリッククラウドとプライベートインフラストラクチャが、効率的かつ安全に通信し、データを交換できなければなりません。
マルチクラウドネットワークのニーズは企業によって大きく異なるため、貴社のネットワークの評価と最適化は一朝一夕にはいきません。しかし、適切なアプローチを取ることで、コストとパフォーマンスを最適化し、ビジネスの俊敏性と回復性を高め、規制要件を満たし、リスクを低減し、より良いユーザーエクスペリエンスを提供することが可能です。
貴社のネットワークは、ビジネスの現在そして未来の要件に応える準備ができていますか?あるいは、マルチクラウドネットワークの自己診断を行うべき時期に来ているのではないでしょうか?マルチクラウド環境における以下の10の一般的なネットワーク課題リストを下記に示します。貴社のネットワークに見直しが必要かどうかを判断するのに役立ててもらえれば幸甚です。 a
マルチクラウドネットワークにおける10の共通課題
1.トラフィックが非効率な遠回りをしている
多くの組織は、全体的な計画なしに段階的にクラウドリソースを取得してきたため、ネットワークアーキテクチャが場当たり的に構築されていることが少なくありません。データパスが不必要に長くなったり、複雑になったりして、非効率や遅延につながっています。この遅延の増加とパフォーマンスの低下は、多くの最新ワークロードにとって大きな問題です。
フィンランドの旅行・物流会社であるVR Groupは、ますます複雑化し、トラフィックを効率的にルーティングできなくなりつつあったレガシーな企業ネットワークを抱えていました。同社は高速で信頼性の高いハイブリッドマルチクラウドの相互接続を必要としていたため、エクイニクスと共に最新の動的なネットワークバックボーンを設計し、アプリケーションアクセスを高速化し、コストを削減しました。
当該事例を読む(英語)2. 想定外のクラウドコストに悩まされている
多くの企業は、マルチクラウド環境を構築する過程で、クラウド間のトラフィックに対する予測不能なコスト増に衝撃を受けてきました。「2025年版 Flexera クラウドの状況レポート」によると、回答者の84%が、クラウド費用の管理が今日の組織にとって最大のクラウド課題であると考えています[1]。こうした想定外の費用の一部は、マルチクラウドのネットワーク設計に潜む非効率性を示唆している可能性があります。
3. ツールが乱立し、管理が煩雑になっている
利用するクラウドが増えれば増えるほど、ITチームが扱わなければならないクラウドネイティブなツールも増える傾向にあります。複数のプラットフォームやツールを管理することは、統一された制御のない、まるで曲芸のような作業に感じられ始めるかもしれません。もしこれが貴社の状況なら、制御を統合しやすい、簡素化されたマルチクラウドネットワークアーキテクチャを検討するべきタイミングです。
4. ネットワークに可視化できない「死角」がある
問題が発生した際、一部の組織はマルチクラウドネットワークに対する可視性が非常に限られているため、トラブルシューティングが当て推量になりがちです。ネットワークトラフィックのパターンに関する包括的な洞察なしには、計画、問題の特定、そして問題の緩和は困難です。
5. セキュリティ対策が「つぎはぎ」だらけ
既知のセキュリティ問題が発生するたびにパッチを適用する習慣のあるネットワークチームもありますが、最終的にはあまりにも多くのパッチを抱え込むことになります。クラウド間で一貫性のないセキュリティポリシーは、悪意のある攻撃者によって悪用されうる隙間を残す可能性があります。ビジネスを保護するためには、セキュリティポリシーの適用、ガバナンス、コンプライアンスを中央集権化しつつ、ネットワーク全体のボトルネックを避けるためにセキュリティ機能をインテリジェントに分散させる必要があります。
6. 障害対応に追われ、ダウンタイムが頻発している
予想以上に障害が頻繁に発生している場合、従業員は業務の中断やユーザーエクスペリエンスの悪化に直面している可能性が高いでしょう。より優れたマルチクラウドネットワーク設計により、稼働時間を延ばし、生産性を向上させ、ユーザー満足度を高める必要があります。
7. ネットワークの拡張が困難な大仕事になっている
ネットワークの俊敏性は極めて重要になっていますが、多くの企業にとって、新たな需要に応えるためのネットワーク拡張は、本来あるべき姿よりも骨の折れる作業となっています。ネットワークリソースの拡張は、時間とリソースを大量に消費し、運用上も困難なものとなっています。 企業は時として、トラフィック量に対処するために追加の帯域幅を購入したり、ネットワークに固定回線を追加しようとしたりしますが、実はネットワークアーキテクチャ自体が問題なのです。もしマルチクラウドネットワークが、主要な場所に収束点を設けるといった、トラフィック効率を考慮して設計されていなければ、拡張の試みは困難でコストのかかるものになり得ます。
国際的な食品会社であるHero Groupは、クラウドサービスへのより速いアクセス、ならびにサプライチェーンパートナーや顧客との接続性のために、ネットワークを最適化する必要がありました。Equinix Fabric®を介した仮想接続により、同社は帯域幅を即座に簡単に拡張でき、ビジネスの俊敏性とコスト効率を向上させています。
当該事例を読む(英語)8. 遊休リソースがコストを圧迫している
未使用または十分に活用されていないネットワークコンポーネントは、何の価値ももたらさないまま、静かに予算を消耗させている可能性があります。多くの企業では、需要の増加に備えてネットワークを大幅に過剰プロビジョニングすることが一般的な慣行となっています。しかし、これは拡張に備えるためのコストのかかる方法です。より動的で俊敏なネットワークを持つことが、より良いアプローチです。ネットワーク最適化の取り組みは、ネットワークアーキテクチャ内の未活用リソースに対処し、過剰プロビジョニングによる無駄な出費を削減するのに役立ちます。
9. 展開の遅さがビジネスの足枷になっている
新しいサービスやリソースが利用可能になるのを待ち、展開サイクルが遅いことに足を引っ張られたい企業はありません。しかし、多くのマルチクラウド環境では、新しい接続のプロビジョニングやアップデートの展開に、予想をはるかに超える時間がかかっています。
米国を拠点とする医療システムであるProvidenceは、米国内のコアネットワークと、複数のパブリッククラウドに接続するアジアのイノベーションハブとの間で、より高速な接続を必要としていました。エクイニクスの支援により、同社は仮想ネットワーキングハブを構築し、デジタルアプリの展開時間を200日以上からわずか1~2日に短縮することができました。
当該事例を読む(英語)10. 特定のクラウドにロックインされている
複数のクラウドを利用している組織は、しばしば組み込まれているクラウドネットワーク機能を使用します。しかしこれは、断片化や単一クラウドへの過度の依存につながる可能性があり、もし独立性の向上がマルチクラウドモデル導入の意図の一つであったなら、その意味が失われてしまいます。クラウドニュートラルなマルチクラウドネットワークソリューションを使用することで、より良い柔軟性とイノベーションのための体制を整えることができます。
ご安心ください。マルチクラウドネットワークの課題を解決する方法があります
もしこれらの項目にいくつかチェックが入ったなら、貴社のマルチクラウドネットワークは見直しの時期をとっくに過ぎている可能性があります。しかし、ご心配は不要です。エクイニクスは、これらすべての一般的なマルチクラウドネットワークの問題を解決するお手伝いをすでにしています。例えば、当社のクラウド間ルーティングソリューションであるEquinix Fabric Cloud Routerは、ニュートラルなプラットフォーム上でクラウド間を接続する、より簡単な方法を提供します。また、Equinix Network Edgeを使用すれば、仮想ネットワークサービスを即座に導入し、マルチクラウドネットワークを最適化できます。当社のハイブリッドマルチクラウドネットワークソリューションは、クラウドやビジネスパートナーの選択肢を制限することなく、マルチクラウドのワークロードパフォーマンスの向上、ネットワークコストの削減、展開の迅速化、そして柔軟性の向上を実現します。
無料のハイブリッドマルチクラウドネットワーク相談会を実施しておりますので是非、ご予約ください。マルチクラウドネットワークを簡素化する方法についてさらに詳しく説明いたします。
[1] 2025 State of the Cloud Report, Flexera, 2025.